2015年2月28日土曜日

リツコ「ちょっと、やめなさい!何この子」 マヤ「いやです離しません♪」 ミサト「ちょっと渚君、あの子何よ?」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:04:50.52 ID:mqtVdq+k0

※エヴァとシュタゲのクロスですが、シュタゲは知らなくても大丈夫です

※舞台はTV版のレリエル戦後を想定してます

リツコ「何かの間違いじゃないの?そんな非科学的な事あるはずないわ」

マヤ「…でも確かに送ったのは昨日なんですよ?私の記憶違いなのかな?」

リツコ「このメールが私の携帯に届いたのは先週よ?3通に分けてて最初はスパムかと思ったけど」

マヤ「うーん…MAGIから送ったのが不味かったんですかね?」

リツコ「待ちなさい、今なんて?」



4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:07:09.43 ID:mqtVdq+k0

リツコ「後でマヤには始末書を書いてもらうとして、本当に過去にメールを送れるか再現してみましょ」

マヤ「すいません先輩…この前の細菌サイズの使徒と影のような使徒が関係あるんでしょうか…」

リツコ「かもしれないわね、で?あなたはメールを送ったとき何をしてたの?」

マヤ「確か私は…休憩中だったのでそこの電子レンジでミルクを温めてました」

リツコ「随分と古いレンジね…なんかゴテゴテした機械がついてるけど」

マヤ「携帯電話で遠隔操作できるように改造してます」

リツコ (この子の考える事はよくわからないわ…)



6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:09:21.96 ID:mqtVdq+k0

マヤ「…では15回目…送信します!」ピッ

ピリリリリ ピッ

リツコ「駄目ね、普通のメールだわ」

マヤ「やっぱり気のせいだったんでしょうか…」

アスカ「やっほーリツコ、ちょっとテレビ貸して」シュイーン

リツコ「…ここは託児所じゃないのよ」



7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:11:57.92 ID:mqtVdq+k0

アスカ「固いこと言わないでよ、30分で見終わるから」カチッ

リツコ「じゃあ実験は中止ね、マヤ、行くわよ」

マヤ「あと一回だけお願いします!」

リツコ「しょうがないわね…レンジをオンにするわよ」ピッ

マヤ「では送信します!」ピッ

リツコ「!レンジが放電してる!?」バチバチ



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:14:09.07 ID:mqtVdq+k0

リツコ「嘘…そんなの…ありえないわ!」

マヤ「おー!確かに一週間前に送られてますね」ヒョイ

アスカ「何の話してんの?」バナナモグモグ

マヤ「えっと、何と言うか…タイムマシンができちゃったって…言うか」

アスカ「何言ってんの?そんなのできるわけないじゃない?」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:16:22.25 ID:mqtVdq+k0

リツコ「いえ…嘘よ…嘘よ…ありえないわ」ブツブツ

アスカ「ほら、リツコがどっか別の世界にいっちゃったじゃない」

マヤ「うーん、でも確かに一週間前にメールが送られてるんだけどなー」

リツコ「でも…これは科学者として…調べざるをえないわ…」ブツブツ

マヤ「先輩、調べてみましょうよ!もし解析できたら千年に一度の大発明ですよ!」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:19:01.23 ID:mqtVdq+k0

リツコ「ではもう一度過去にメールを送ってみるわ、文面は何がいい?」

マヤ「そうですね…実験ですから軽い過去改変が行われるようなのでいいんじゃないですか?」

リツコ「なかなかチャレンジャーねマヤ…」

アスカ「じゃあ友達に頼まれた知らない男とのデートの約束、なかったことにしたいな」

マヤ「へーぇ、アスカデートしたの?いつ?」

アスカ「ミサトとリツコが結婚式に行ってた日!ヒカリのお姉さんのコダマさんの頼みだったから断れなかったけど…」

アスカ「家に帰って、シンジのチェロを聞いて…そのあとシンジと…あー今思い出しても寒気がする!」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:21:05.30 ID:mqtVdq+k0

マヤ「じゃあ送ってみよっか、文面何がいい?」

アスカ「結婚式の日はシンクロテストがあるとか適当にお願い」

リツコ「本当にいいのアスカ?大事な記憶が消えるかもしれないのよ?」

アスカ「…!大事な思い出なんかじゃないわよ!」

リツコ「…そうね、科学の進歩に犠牲はつき物だわ。マヤ、電子レンジをオンにするわよ」ピッ バチバチ

マヤ「ハイ先輩!送信します!」ピッ



12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:23:27.28 ID:mqtVdq+k0

マヤ「…あれ?」

リツコ「どうしたのマヤ?」

アスカ「ふー面白かった!今週も充実した30分だったわ!」

シンジ「本当に面白いねこのアニメ」

マヤ「あれ…シンジ君いつからそこにいたの?」

シンジ「?30分前からですけど?」

リツコ「うーん、どんな文面がいいか考え付かないわね…」

マヤ「え?え?」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:25:45.32 ID:mqtVdq+k0

マヤ「え…ちょっとまってシンジ君、あなたはここにはさっきまで居なかったよね?」

アスカ「何いってんのマヤ?シンジはこのアニメが始まる前に私と一緒にこの部屋に入ってきたじゃない」

マヤ「…え?」

リツコ「過去にメールが送れるとしたら…、宝くじとか株とか?いいえ、そんな事をすれば母さんが泣くわ…」

マヤ「…どうなってるの?」



15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:27:51.80 ID:mqtVdq+k0

シンジ「じゃあ僕等はこれで失礼します、有り難うございました」カチッ

アスカ「でもこのテレビ大型だけどなんか目が痛くなるわね」

シンジ「ブラウン管だからね」シュイーン

リツコ「あれ?また放電しなくなったわ?」ピッピッ

リツコ「…どうしたのマヤ、棒立ちになって」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:30:04.24 ID:mqtVdq+k0

リツコ「そう、過去改変のメールを送ったら現在に変化が起きたのね…」

マヤ「そうです…」

リツコ「確か結婚式のあった日は誰かからアスカに呼び出しがかけられたんだけど…あなたは覚えてないって言ってたわ」

マヤ「過去が変えられたんですね…それでアスカはシンジ君と一緒にアニメを見ることに…」

リツコ「でも何であなただけがその事実を覚えてるのかしら?」

マヤ「何ででしょうね?」

リツコ「わからないわ…でもしばらくこの事はネルフの最高機密扱いにします、いずれ碇司令にも判断を仰ぐ事になるわ」

マヤ「はい、わかりました」



18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:32:22.63 ID:mqtVdq+k0

ミサト「消滅!?エヴァ4号機と第2支部が消滅したの?」


青葉「ティープラステン、グラウンドゼロのデータです」

ミサト「酷いわね」

日向「ATフィールドの崩壊が衛星から確認できますが、詳細は不明です」

マヤ「4号機は!!…」

リツコ「エヴァ4号機は稼働時間問題を解決する、新型内蔵式のテストベッドだった・・・らしいわ」

マヤ「北米ネルフの開発情報は赤木先輩にも十分に開示されていないんです」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:34:40.44 ID:mqtVdq+k0

赤木研究室

マヤ「先輩…例の過去改変メールを使ってみてはどうでしょう…?」

リツコ「それは私も考えたわ、でもなんて送るの?第二支部は消滅するから逃げろって?鼻で笑われるのがオチよ」

マヤ「そんな…警告を発すれば何千人もの命が助かるのに…」

リツコ「セクショナリズムの弊害よ、私達は一介の技術者で政治屋じゃないの」

ミサト「リツコ、マルドゥック機関のフォースチルドレンの選定候補リスト取りに着たわよ」

リツコ「これよ、一応目を通しておいて」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:36:56.46 ID:mqtVdq+k0

マヤ「なるほど、この42型ブラウン管テレビが点いていないと過去へのメールは送れないのね…」メモメモ

マヤ (先輩はエヴァ三号機の起動実験で松代に行っちゃったしなぁ…私が頑張らないと)

ブーッブーッ

『総員第一種戦闘配置、繰り返す、総員第一種戦闘配置』

マヤ「まさか使徒!?」



22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:38:51.33 ID:mqtVdq+k0

バルディエル戦後

マヤ (エヴァ三号機は使徒に乗っ取られてしまい、シンジくんは友達を握りつぶしてしまった)

マヤ (幸い鈴原くんの命は助かったけど…右脚はひざ上から切断…)

マヤ (シンジ君はもうエヴァには乗りたくないって言って…チルドレンのコードを抹消されてしまったわ)

マヤ (どうすればいいの…先輩)

アスカ「入るわよ」シュイーン

マヤ「アスカ?どうしてここに?」



23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:41:03.64 ID:mqtVdq+k0

アスカ「マヤ、あんたこないだ妙な事言ってたわよね、過去にメールを送るとかなんとか」

マヤ「え…ごめんなさいアスカ、それは最高機密で…」

アスカ「そう、やっぱり本当だったのね…おかしいと思ってたんだ」

マヤ「あ…」

アスカ「お願いマヤ、一週間前のシンジの携帯にフォースチルドレンの正体を送信して」

マヤ「え、でもそれは…」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:43:08.84 ID:mqtVdq+k0

アスカ「あの時はシンジに負けたくない気持ちが先行して…突っ込んで負けたけど、今になって後悔してるんだ…」

アスカ「でも冷静に協力すれば鈴原を助けられたかもしれない、落ち着いてシンジと協力すれば…」

アスカ「でもシンジはもうこの街からいなくなって…二度と会えなくなって・・・ウッウッ」グスッ ポロポロ

マヤ「アスカ…」



25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:45:16.25 ID:mqtVdq+k0

マヤ「わかったわアスカ、でも一度だけよ」

アスカ「…ありがとマヤ」

マヤ「じゃあ文面は…『フォースは鈴原トウジ協力して救出せよ』でいいわね?」

アスカ「えーと、セッティングはこれでいいの?」ピッ バチバチ

マヤ「…送信するわよ」ピッ



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:47:22.77 ID:mqtVdq+k0

マヤ「…?」

マヤ「ここは発令所!」

青葉「どうしたんだマヤちゃん」

日向「疲れてるのか?少し休む?」

マヤ「あ…あの、フォースチルドレンの鈴原君は?シンジ君は?アスカはどうなりました?」

青葉「?鈴原君なら病院だよ、シンジ君もアスカもお見舞いに行ってる」

マヤ「足を…切断とかしてますか?」

日向「いや?使徒による汚染も見つけられず肉体的には健康体だ」

マヤ「そう…良かった…」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:49:47.11 ID:mqtVdq+k0

アスカ「ほらもっとキリキリ歩きなさいよ!だらしないわね」

シンジ「そんな事言ったって…荷物が重くて…!」

レイ「碇君…ありがとう」

アスカ「まーぁこの無敵のアスカ様の華麗なバックアップが無かったらぁ鈴原は死んでたから当然だけどね!」

シンジ (でも誰からだったんだろう…あのメール)

ビーッビーッ

『総員第一種戦闘配置、繰り返す、総員第一種戦闘配置』

シンジ「使徒だ…」



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:52:00.52 ID:mqtVdq+k0

ミサト「使徒は猛スピードでジオフロントに降下中、待ち構えてATフィールドを中和しつつ波状攻撃、いいわね」

シンジ・アスカ・レイ「「「ハイ!」」」

日向「みんな、これまでの敵とはATフィールドの厚さが桁違いだ。決して油断しないように」

青葉「目標のビームを解析!不可視波長のエネルギーレーザーです!」

マヤ「MAGIは腕状部分にも未知の攻撃手段があると解析してます」

ミサト「みんな聞いたわね?3機で取り囲んで目標の死角から攻めるのよ!」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:54:07.61 ID:mqtVdq+k0

ダンダンダン

アスカ「…?ATフィールドは中和されてるのにまるで効いてない!?」

ゼルエル「ウォォォォォン!」

シンジ「!アスカ避けて!」

アスカ「!!あっぶなー!何よこの腕!リーチ長すぎだっつーの!」

レイ「だめ…火力が足りない!」ダンダンダン

アスカ「ええいもう!懐に飛び込むわよ!シンジ、ATフィールドで援護お願い!」シュバッ

シンジ「ATフィールド全開!」

アスカ「どりゃぁぁぁぁあ!」



32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:56:18.74 ID:mqtVdq+k0

アスカ「くそっ!あとちょっとなのに!届かない!」ブンブン

レイ「二号機パイロット!今よ!」ゼルエルガシッ

アスカ「やるじゃない!どりゃぁぁぁぁ!」ザクッ

シンジ「やった!?」

レイ「う…うう…」ポタポタ

日向「零号機、目標により腹部に裂傷!」

アスカ「!外壁が堅すぎる!」

シンジ「アスカ!後ろ!」

アスカ「えっ」ザクッ



33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 03:58:34.62 ID:mqtVdq+k0

マヤ「二号機アンビリカブルケーブル断線!活動限界まであと5分!」

アスカ「危ない危ない、やるじゃない」

ミサト「レイ!大丈夫!?」

レイ「はい、大丈夫です」

ゲンドウ「赤木博士、零号機は撤収、初号機のダミープラグを使用しろ」

リツコ「しかしダミープラグはまだ理論上のもので、実戦投入は…」

ゲンドウ「既に我々は一機を大破し、一機の時間も5分しか残されていない。人類滅亡を防ぐ為だ」

リツコ「…わかりました」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:01:05.20 ID:mqtVdq+k0

シンジ「…なんだ電源が!?何をしたんだ父さん!?」

初号機「ウォォォォォォォォン!!」

アスカ「えっ?どうしたのシンジ!?」

初号機「グォォォォォォォン!!」ピョーンガッ

ゼルエル「グハァァ!!」

初号機「グハッグハッ」ムシャムシャ

アスカ「な…何あれ…使徒を食ってる…!?」

マヤ「ウッ!」

リツコ「まさか…S2機関を自ら取り込んでるというの?」

加持「こいつはゼーレが黙っちゃいませんな」



37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:03:14.30 ID:mqtVdq+k0

ネルフ通路

シンジ「でもあのメール本当に誰のだったんだろ?」

アスカ「メールってなに?」

シンジ「なんかおかしなメールが来たんだよ、フォースチルドレンがトウジだって。アスカが出したの?」

アスカ「はぁ!?私がそんな事言うわけないじゃない?夢でも見たんじゃないの?」

シンジ「いや本当に来たんだよ、ほら。3通に分けられてたけど」

アスカ「え?3通に分けられたメール?それホント?私も来たのよ」

アスカ「そういえばマヤがおかしな事行ってたわね…過去にメールを送るとかなんとか」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:05:33.72 ID:mqtVdq+k0

赤木研究室

マヤ「色々実験してみた結果、電子レンジの数字の大きさで過去にさかのぼる時間が変わるみたいね」

マヤ「でも先輩は別の仕事が忙しいみたいで全然かまってくれない」

マヤ「…ひょっとして忘れちゃったのかな」

アスカ「邪魔するわよ」シュイーン

シンジ「お邪魔します」

マヤ「ひゃっ!!どうしたの二人とも!?」



40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:07:42.44 ID:mqtVdq+k0

アスカ「いや実はねー、リツコから話を聞いたのよ。ここで過去にメールを送る実験が成功したって」

マヤ「えっ?先輩しゃべっちゃったの!?」

アスカ「…やっぱりね、怪しいと思ってたのよ」

マヤ「あっ…」

シンジ「じゃああのメールを送ってくれたのはマヤさんだったんですね」

アスカ「話してもらうわよ」



42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:09:43.42 ID:mqtVdq+k0

シンジ「そうですか…本来ならトウジは足を切断して…」

アスカ「納得いかない!私がこんな奴のために…ボロボロ泣くわけないじゃない!」

マヤ「うーん本来ならいけないことなんだけど…私も情にほだされちゃってねぇ…」

シンジ「それでどれくらい昔までメールを送れるんですか?」

マヤ「調べたところ、私がこの機種に変えた、3年前までは送れる事がわかったわ…もっと昔でも大丈夫かも…」

シンジ「もしかしたらミサトさんの悩みも解決するかもしれませんね」

アスカ「悩みって何よ?」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:11:48.48 ID:mqtVdq+k0

シンジ「なんかこないだ加持さんの留守電を聞いてからふさぎっ放しなんだ。何があったか知らない?」

アスカ「さあ?料理が不味くて振られたとかそんなんじゃないの?」

ブーッブーッ

『総員第一種戦闘配置、繰り返す、総員第一種戦闘配置』

シンジ「まさか…使徒!?」



45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:13:56.52 ID:mqtVdq+k0

アラエル戦後

シンジ「アスカ…良かったね」

アスカ「うるさいわねバカ!ちっとも良くないわよ!」

アスカ「ちきしょう…あんな女に負けた…あんな女に…」

アスカ「嫌い!嫌い!みんな嫌い!だいっ嫌い!」

シンジ「アスカ…」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:19:26.53 ID:mqtVdq+k0

マヤ「アスカのシンクロ率、安定しませんね。起動数値ギリギリです」

リツコ「こんなシンクロ率じゃ先が思いやられるわね」

マヤ「あの…先輩、例のメール実験のことなんですが…」

リツコ「メール?何の?」

マヤ(忘れてる…)



49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:21:35.57 ID:mqtVdq+k0

赤木研究室

シンジ「じゃあこの文面で10年前のアスカのお母さんが亡くなった日に送ればいいんだね」

アスカ「ごめんねシンジ…こんな事頼んじゃって…でも私もう少しで壊れちゃいそうでさ…」

マヤ「『今日は家でいい子にしてて、愛してる』ね…ドイツ語で」

シンジ「じゃあスタンバイしますよ…」ピッ バチバチ

マヤ「送信!」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:23:48.88 ID:mqtVdq+k0

マヤ「!」

マヤ「あれ!?シンジ君?アスカ?」

マヤ「…ここは間違いなく先輩の研究室…」

マヤ「…でも器具の配置が若干違う…!?」

マヤ「…ひょっとして私とんでもないことしちゃったんじゃ!?」

マヤ「シンジ君!アスカ!先輩!」ダッ


発令所

青葉「あれマヤちゃん。どうしたの」

マヤ「青葉君!シンジ君とアスカ知らない?」

青葉「え?シンジ君なら休憩室にいるよ」

マヤ「ありがと!」シュダッ



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:26:09.74 ID:mqtVdq+k0

休憩室

シンジ「……」シャカシャカ

マヤ「シンジ君!良かった!無事だったのね!?」

シンジ「あれ?マヤさん?どうしたんですか?」

マヤ「良かった…私シンジ君とアスカに何かあったらと思うと…」

シンジ「…アスカって誰ですか?」


マヤ「え?何をふざけてるの?アスカはアスカよ、栗色の髪であなたの同居人の…」

シンジ「僕の同居人はミサトさんとマリですけど?」

マヤ「え?」

シンジ「え?」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:29:12.35 ID:mqtVdq+k0

赤木研究室

マヤ (惣流アスカ・ラングレー…2005年にセカンドチルドレンとして登録され、現在はドイツにて訓練中…か)

マヤ (将来を有望視されたチルドレンだったが訓練成績が振るわず2010年に降格処分…)

マヤ (2015年フォースチルドレン真希波・マリ・イラストリアスが来日して二号機パイロットとして活躍…ね)

マヤ「メール一通でここまで変わるなんてね…」

ブーッブーッ

『総員第一種戦闘配置、繰り返す、総員第一種戦闘配置』

マヤ「…使徒!」



57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:31:41.51 ID:mqtVdq+k0

アルミサエル戦後

シンジ「綾波…綾波…」ポロポロ

マリ「わんこくん、元気を出すニャ。綾ニャンはきっと大丈夫だから」

リツコ(レイはエントリープラグの中で黒焦げになって発見されたわ)

リツコ (これから新しい複製体に魂をサルベージして…はぁ胃が痛いわ…壊してやろうかしら…)


芦ノ湖畔

マヤ「街が…消えちゃった」

マヤ「レイちゃんは無事だったから良かったけど、ネルフ以外の友達は皆引っ越しちゃったわ…」

マヤ「はぁ…でも街を元通りにするメールなんて想像つかないわ…」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:34:33.94 ID:mqtVdq+k0

~♪~♪~♪

マヤ (ん…このメロディは…確かベートーベンの第九?)

カヲル「歌はいいねぇ、歌は心を潤してくれる。リリンの生み出した文化だよ、そう思わないかい?伊吹マヤさん?」

マヤ「あ…君は確か先輩から渡された資料に載ってた…」

カヲル「そう、僕はカヲル、渚カヲル。君と同じリーディングシュタイナーを持つ…」

ヒュルルルン バキ ボチャン

マヤ(飛んできた石に当たって湖に落ちた…!)

アスカ「変態的なナンパしてんじゃないわよバカ渚!」

カヲル「いてて、ひどいなアスカ。君はもうちょっとおしとやかになったほうが良いよ」

マヤ「えっ?アスカ?無事だったのね!?」

アスカ「えっと…アンタ誰?」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:36:53.33 ID:mqtVdq+k0

起動実験

マヤ (みんなのシンクロ値は…まずまずね、特にアスカ…前の世界よりも成績が良いみたい)

マヤ (渚君のシンクロ値は…!!これはまさか!!いや!ありえないわ!シンクロ率を自由に変えれるなんて!)

リツコ「皆、今日はもう上がっていいわよ」

ミサト「どうしたのリツコ、なんか嬉しそうじゃない」

リツコ「ええ、ちょっとね」ツヤツヤ

マヤ (何だろう?)



61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:40:16.37 ID:mqtVdq+k0

食堂

マヤ(まぐろ丼美味しいな…)モクモク

カヲル「ご一緒してもいいかい?伊吹二尉」ニッコリ

マヤ「え?いいけど?」

アスカ「あたしも一緒よ」ヒョイ

マヤ「……」モクモク

カヲル「伊吹二尉、あなたは孤独を感じた事はないかい?」モクモク

アスカ「うわー出たわタラシの性分、うわーないわ引くわー」

マヤ「…そうね、最近ここは私がいても良い場所なのかどうかよく考えるわ…」

カヲル「ここはあなたがいてあなたがいなかった世界かもしれない、だけどあなたが選んだ世界そのものさ」モクモク

アスカ「うわー、訳わかんないわー、もっと言葉を選んで明確に話してくれると助かるんだけどなー」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:42:31.74 ID:mqtVdq+k0

マヤ「なんだかアスカ、前の世界と性格が違うような気もするけど…」

カヲル「その前の世界線の記憶を思い出す能力の事を僕等は『リーディングシュタイナー』と呼んでいるんだ」

アスカ「また出たよ、その言葉、厨二病乙!」

カヲル「あ、アスカは気にしないで。この娘僕に惚れているだけなので」

アスカ「だ、誰がよ!適当なこと言うなバカ渚!」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:44:41.65 ID:mqtVdq+k0

赤木研究室

カヲル「これがマヤさんの作ったタイムマシンだね」

マヤ「偶然できたものだけどね」

カヲル「これさえあれば僕の目的は果たせるね、協力してくれないかい?」

マヤ「なにをするの?」

カヲル「セカンドインパクトを無かった事にするんだ」

マヤ「え…セカンドインパクトを?でも巨大隕石の衝突をどうやって…」

カヲル「防げるよ、あれはゼーレによる人為的な事故だから」

マヤ「え?」



65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:46:58.64 ID:mqtVdq+k0

マヤ「…そ、そんなことが…でもそんな超機密知ったのがバレたら…」ガクガク

カヲル「間違いなく殺されるね」

マヤ「でも、私は先輩と…離れたくありません…」ガクガク

カヲル「赤木博士へのひたむきな愛、好意に値するよ…でも博士は司令と男と女の仲にあるんだよ?」

マヤ「え」

カヲル「昨日もこの部屋で一生懸命二人で汗だくに…おっとこれ以上はプライバシーなのでやめとくね」

マヤ「送りましょう」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:49:51.43 ID:mqtVdq+k0

カヲル「じゃあセッティング開始するよ」

マヤ「えーと時代は…2000年の9月ね…」ピッピッピッ

カヲル「目が怖いね…」

マヤ「イヤ?私ハ何十億人ノ命ヲ救ウノヨ?チョット位仕方ナイデショ?」

カヲル「じゃあ新しい世界でもどこかで会うかもね、放電始まったよ」バチバチ

マヤ「送信!」ピッ



67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:52:05.71 ID:mqtVdq+k0

ザワザワガヤガヤ

マヤ「街中!ここはどこ……?」

マヤ (財布財布…あった!!)

マヤ (…免許証…伊吹麻耶?名前が漢字だ!)

マヤ (平成28年の11月まで有効…?元号表記になってる!)

マヤ (セカンドインパクトは起こらなかったんだ!)

マヤ(良かったー!!)



70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:55:08.17 ID:mqtVdq+k0

喫茶店

マヤ「あれから一年」

マヤ「この世界にもすっかり慣れたわ」

マヤ「みんな…今頃どこにいるのかなぁ」

マヤ「私が世界を救う組織のオペレーターだったなんて信じられる人いないよね…」

「いや、信じますよ」

マヤ「!」クルッ

カヲル「こんにちは伊吹二尉」

マヤ「ええ…久しぶり」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 04:58:15.15 ID:mqtVdq+k0

シンジ「その人がカヲル君の知り合いの伊吹さん?初めまして、碇シンジです」

アスカ「ふん!オフ会なんて私の柄じゃないっての!」

レイ「…初めまして、碇レイです」

ミサト「こんな時に教師はつらいわねー、引率の加持ミサトです」

マヤ「…みんな…!!」


「まったく、保護者なんてミサト一人で充分じゃない」

ミサト「まあそういわないでよ、渚君のたっての願いなんだから」

マヤ「…!!」

リツコ「赤木です、よろしく」

マヤ「せんぱぁい!」ダキッ



72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 05:01:20.87 ID:mqtVdq+k0

リツコ「ちょっと、やめなさい!何この子」

マヤ「いやです離しません♪」

ミサト「ちょっと渚君、あの子何よ?」

カヲル「強いて言うなら世界を救った英雄…だね」

アスカ「はぁ!?英雄?」

カヲル「ふふふっ」

END



73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 05:04:36.06 ID:mqtVdq+k0

それではこの辺で落ちさせていただきます
読んでくれた方、書き込んでくれた方
有り難うございました



76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 05:11:25.65 ID:lqeZPWZI0





78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/11/20(水) 05:14:51.10 ID:uN9YHpJNO

マヤさん主役はなんか新鮮でよかった乙

ミサト『では司令、指示をお願いします』シンジ「エヴァンゲリオン……出撃」SS

1 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:18:48.81 ID:cgTgtqIE0

冬月「三年ぶりの再会か」

カツカツ

キィ……バタン

シンジ「父さん……」

ゲンドウ「久しぶりだな、シンジ」



2 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:19:26.17 ID:cgTgtqIE0

シンジ「どうして……僕を呼んだの」

ゲンドウ「他の人間には無理だからな(速さ的な意味で)」

シンジ「僕にここで働けって言うの!?」

シンジ「そんなの出来るわけないよ!」

ゲンドウ「(施設の)説明を受けろ」

シンジ「父さんは僕がいらないんじゃなかったの!?」

ゲンドウ「必要だから呼んだまでだ」

ゲンドウ「ここで働くのなら働け」

ゲンドウ「でなければ帰れ!」



3 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:20:23.53 ID:cgTgtqIE0

シンジ「そんなの……できるわけないよ!」

ゲンドウ「……」ガチャ

ゲンドウ「冬月」

冬月『なんだ』

ゲンドウ「予備が使えなくなった。もう一度求人を出せ」

冬月『しかし……この時期に大丈夫か?』

ゲンドウ「ハローワークとて死んでいる訳ではない」

冬月『……わかった』ガチャ



4 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:21:01.13 ID:cgTgtqIE0

コンコン

シンジ「……?」

ゲンドウ「入れ」

レイ「……いかりえんちょう」オドオド

ゲンドウ「レイか。どうした」

レイ「あの……おちゃ、はいりました」

ゲンドウ「そうか、レイは偉いな」ナデナデ

ゲンドウ(レイマジ天使)

レイ「えへ……」///

シンジ(……なんだこの子マジ天使)



5 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:21:37.32 ID:cgTgtqIE0

レイ「……しらないひと」

ゲンドウ「私の息子だ。もう帰るそうだがな」

ゲンドウ「シンジ、もうお前には必要ないが、一応紹介だけしておく」

ゲンドウ「綾波レイ、今年で5歳になる」

レイ「……レイです」

シンジ「ど、どうも……碇シンジです」

レイ「いかりくん」

ゲンドウ「折角レイが茶を淹れたんだ。飲んでから帰れ」

シンジ「はい……そうします」カチャ



6 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:22:12.42 ID:cgTgtqIE0

シンジ「……あ、おいしい」

ゲンドウ「レイの紅茶を淹れる才能は園内……いや世界一だ」

ゲンドウ「だがレイ、ミルクと砂糖もあるともっと素晴らしい」

レイ「はい」

シンジ「彼女……レイはここの園児ですか?」

ゲンドウ「気安く名前で呼ぶな」カッ

シンジ(……なんだこの親父)



7 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:22:49.03 ID:cgTgtqIE0

シンジ「……綾波はここの園児ですか?」

ゲンドウ「そうだ」

シンジ「働きます」

ゲンドウ「なに……?」

シンジ「僕が働きます!」

ゲンドウ「……」ニヤリ

レイ「?」



8 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:23:54.59 ID:cgTgtqIE0

冬月「君が来てくれて助かったよ、シンジ君」

冬月「ああ、紹介が遅れたね。私は副園長の冬月コウゾウだ」

シンジ「何で父さんは僕を呼んだんでしょう……」

冬月「最近、教諭も人手不足なんだ」

冬月「入っても何故かすぐに辞めてしまう輩が多くてね」

シンジ「それで僕を……」

シンジ「そうですよね……用がなきゃ父さんが僕を呼ぶわけないですよね……」

冬月(何こいつ辛気臭え)



9 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:24:30.18 ID:cgTgtqIE0

冬月「とりあえず今日のところはチルドレン達に顔を見せに行こうか」

冬月「もう帰宅時間は過ぎているが、何人かは残っているだろう」

シンジ「チルドレン?」

冬月「園児のことだ」

シンジ「ああ……さっき会ったレイもチルドレンなんですよね?」

冬月「気安く名前で呼ぶな」キッ

シンジ(職員が辞めていくのって絶対こいつらのせいだな……)



11 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:26:02.65 ID:cgTgtqIE0

シンジ「……綾波も、チルドレンなんですよね」

冬月「ああ、君が面倒を見ることになる……ここだ」

ガラッ

アスカ「あ、ふくえんちょう!」

冬月「おやアスカ君、こんにちは」

アスカ「ぐーてんたーく!」

冬月「残っているのは……三人だけか」

マリ「なになに? おもしろいこと?」

アスカ「あれ? そっちのだーれ?」

レイ「……いかりくん」

シンジ「ど、どうも」



12 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:26:45.11 ID:cgTgtqIE0

冬月「今から皆に紹介しよう」

冬月「明日から皆の先生になる碇シンジ先生だ」

シンジ「よ、よろしく! 碇シンジです!」

アスカ「ふーん……」ジロジロ

シンジ「どうしたの? えと、アスカちゃん?」

アスカ「れでぃーをきやすくなまえでよばないで!」

シンジ「ご、ごめん」

アスカ「かおはまぁまぁね……でもふくのせんすはさいていだわ」

シンジ「?」

アスカ「あたしはしきなみ・アスカ・ラングレーよ!」

アスカ「あんたがわたしのしもべになるっていうなら、とくべつになまえでよんでもいいわ」

シンジ「ははは、それは光栄だ。じゃあ名前で呼んでもいい?」

アスカ「いいわ、そのかわりわたしのいうことにはぜったいふくじゅうよ!」



14 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:28:06.93 ID:cgTgtqIE0

マリ「……」スンスン

シンジ「うわっ!? び、びっくりした……」

マリ「……」クンクン

マリ「……いいにおい」ニマリ

シンジ「へっ?」

マリ「せんせい、いいにおいがする!」ガバッ

シンジ「うわっ!?」ズターン

マリ「わたし、まきなみ・マリ・イラストリアス!」ウマノリ

マリ「よろしくね、せんせい!」

シンジ「よ、よろしく……」



15 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:28:43.34 ID:cgTgtqIE0

冬月「はっはっは、早速懐かれたようだね」

シンジ「アグレッシブな子ですね……」

レイ「いかりくん」

シンジ「綾波、改めてよろしくね」

レイ「うん、よろしくね」



16 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:29:34.26 ID:cgTgtqIE0

レイ「……」グッ

レイ「……」シュコー

レイ「……」グッ

レイ「……」シュコー

シンジ「綾波、どうしたの? ポットとにらめっこなんかして」

レイ「おゆ……でないの」

レイ「おちゃをいれたいのに……おゆがでないの」



18 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:30:21.01 ID:cgTgtqIE0

シンジ「ああ、空っぽだからだね……今から沸かすよ」パカッ

レイ「あ、あ」

シンジ「ん?」カチ ボッ

レイ「あり、ありが、とう」

シンジ「うん、どういたしまして」

レイ(ありがとう、かんしゃのことば)

レイ(……はじめて、だれかにいった)



19 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:30:59.40 ID:cgTgtqIE0

シンジ「綾波? 顔赤いけど大丈夫?」

レイ「……」ボー

シンジ「ん……」ピト

レイ「!?」ビク

シンジ「熱はないみたいだけど……」

レイ「……ぽかぽかする」

シンジ「?」



20 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:31:36.25 ID:cgTgtqIE0

レイ「……」シャカシャカ

マリ「しっあわっせは~~♪ あっるいってこっない~~♪」カキカキ

アスカ「ふんふーん♪」グリグリ

シンジ「みんなお絵かきかな?」

マリ「あっせんせい! みてみて!」

シンジ「これは……犬かな?」

マリ「うん! わんこくん! かわいいでしょ!」

シンジ「うん、かわいい。マリは絵が上手だね」カイグリカイグリ

マリ「にゃー♪」ゴロゴロ



22 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:32:24.02 ID:cgTgtqIE0

アスカ「シンジ! わたしのもみるのよ!」

シンジ「これは……僕、かな?」

アスカ「そうよ! いけめんにかいてあげたんだから、かんしゃしなさいよね」フンス

シンジ「うん、ありがとうアスカ」ナデナデ

アスカ「ちょっと、きやすくれでぃーのあたまをなでないでよ」

シンジ「あっ、ご、ごめん」

アスカ「でもいいわ、きょうはきげんがいいからとくべつにゆるしてあげる」

シンジ「そう? じゃあ遠慮なく」ナデナデ

アスカ「し、しもべのねがいをかなえるのもしゅじんのつとめよ」///



23 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:33:04.12 ID:cgTgtqIE0

レイ「いかりくん」

シンジ「綾波も描けたの? 見せてくれる?」

レイ「……はい」

シンジ「これは……僕と……綾波?」

レイ「……うん」

シンジ(僕と綾波が手を繋いでいる絵……だよね)

シンジ(まだ皆に溶け込めない僕に、綾波が気を遣ってくれたのかな)

シンジ「ありがとう綾波、すごく嬉しいよ」

レイ「……」ジー



24 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:33:39.03 ID:cgTgtqIE0

シンジ「……? どうしたの綾波?」

レイ「わたしもなでなで……して」

シンジ「あ、うん。ごめんね」ナデナデ

レイ「……」///

レイ「こ、こういうとき……どんなかおをしていいかわからない」

シンジ「嬉しいときは、笑えばいいと思うよ」

レイ「わらう……?」

シンジ「うん、綾波は笑ったほうがかわいいよ」

レイ「……ふふっ」ニコッ



27 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:35:12.31 ID:cgTgtqIE0

マリ「うでをふって、あしをあげて♪」

マリ「わんつー! わんつー!」

マリ「やすまないであ~る~け~♪」

シンジ「マリは歌が好きなんだね」

シンジ(その割には選曲がなんか古いけど)

マリ「うん! せんせいもうたおう?」

シンジ「いいよ、何の歌がいい?」

マリ「ぷりきゅあ!」

シンジ「ぷ、プリキュアはちょっと僕には難易度が高いような……」



28 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:35:55.35 ID:cgTgtqIE0

カヲル「うたはいいねぇ」

マリ「あ、カヲルくん!」

カヲル「うたはこころをうるおしてくれる……」

マリ「カヲルくんもいっしょにうたう?」

カヲル「ありがたいけれど、またこんどにするよ」

カヲル「それよりも、シンジくん」

シンジ「出来れば先生って呼んで欲しいけど……なに?」



29 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:36:30.48 ID:cgTgtqIE0

カヲル「びにーるぷーるをつくらないかい?」

シンジ「プール? 入りたいの?」

カヲル「そうだね、シンジくんといっしょにはいりたいな」

シンジ「いいけど今日はもう遅いし……明日じゃ駄目かな?」

カヲル「だめなのかい?」

シンジ「ダメって訳じゃないけど」

カヲル「ふふ……つれないな、シンジくん」



30 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:37:04.64 ID:cgTgtqIE0

カヲル「でもそんなところもこういにあたいするよ」

シンジ「?」

カヲル「すきってことさ」

シンジ「うん、僕もカヲル君のこと好きだよ」

カヲル「ふふ……ぼくはきみにあうためにうまれてきたのかもしれない……」

マリ「うにゃー! マリもせんせいのことすきだもん!」

シンジ「よしよし、先生もマリのこと大好きだよ」ナデナデ

マリ「にゃー♪」スリスリ

カヲル「ぼくはもっとはなしをしたいな……」



31 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:37:39.57 ID:cgTgtqIE0

アスカ「うう……」キョロキョロ

アスカ「ここ……どこ?」グスグス

―――数十分前

アスカ『わたしはおとなのおんなだから、ひとりでそともあるけるのよ!』

マリ『えー、ひとりでおそとにでたらだめなんだよ』

レイ『あぶないのよ……』

アスカ『みんないくじなしね!』

アスカ『わたしがおとなのおんなだってことをしょうめいしてあげるわ!』

アスカ「うー……」グスッ



32 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:38:14.31 ID:cgTgtqIE0

アスカ「シンジぃ……どこぉ……?」グスグス

シンジ「アスカ!」

アスカ「!?」

シンジ「よかったぁ、見つかって……」ホッ

アスカ「シンジぃ……」ウルウル

シンジ「ダメじゃないか、一人で外に出ちゃあ」

アスカ「シンジぃ!」ダキッ

シンジ「よしよし、怖かったね」ナデナデ

シンジ「これに懲りて、今度からは一人で外に出ちゃいけないよ」

アスカ「うぐっ、えうっ、シンジぃ……うわああああぁぁぁぁん!」



33 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:38:54.27 ID:cgTgtqIE0

シンジ「よしよし、じゃあ帰ろうか」

アスカ「……おんぶ」グスッ

シンジ「はいはい……よいしょっと」

シンジ「でもアスカは勇気があるね」

アスカ「……」ギュッ

シンジ「一人で知らない場所に行くなんて、とてもできないよ」

アスカ「と、とうぜんよ。わたしをだれだとおもってるの……」

シンジ「でも、みんなを心配させるようなことはしないでね」

アスカ「うん……ごめんなさい」



35 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:39:44.00 ID:cgTgtqIE0

シンジ「わかったならいいよ」

アスカ「……」///

アスカ「いっひ、りーべでぃっひ……」///

シンジ「ん? 何か言った?」

アスカ「な、なにもないわよ! はやくあるきなさい!」

シンジ「はいはい」

アスカ(おおきいせなか……あったかい)



36 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:40:23.83 ID:cgTgtqIE0

アスカ「~~♪」ペチャペチャ

マリ「いっちにっちいっぽ♪ みっかでさんぽ♪」ベチャベチャ

レイ「ただいま……」

マリ「あっ、おかえりおかあさん! おしごとおつかれさま」

アスカ「ごはんはできてるのよ」ドロダンゴ

シンジ「おままごとかな? 僕も混ぜてよ」

レイ「!」

マリ「いいよ! じゃあせんせいはおとうさんね!」

シンジ「よーし、わかった。お母さんは綾波かな?」

レイ「うん、そう……あなた」

アスカ「!!」



37 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:41:14.09 ID:cgTgtqIE0

アスカ「ちょ、ちょっとまって!」

レイ「?」

マリ「?」

アスカ「わ、わたしもママやりたい!」

レイ「おかあさんはひとりだけよ」

アスカ「いいのよ、たくさんおかあさんがいるくにもあるわ」

シンジ「アスカは物知りだね」

アスカ「とうぜんよ!」フンス

アスカ「とにかく、わたしはママがやりたいのよ」

マリ「じゃあマリもおかあさんやるー♪」

レイ「じゃあ、かえってくるところから……」

………
……




38 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:42:17.96 ID:cgTgtqIE0

シンジ「ただいまー」

レイ「おかえりなさい、あなた」

レイ「きょうもいちにちごくろうさま」

レイ「ごはん、できていますよ」

シンジ「うん、ありがとう綾波」

シンジ「綾波はいいお嫁さんになるね」ナデナデ

レイ「……」///



39 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:42:56.54 ID:cgTgtqIE0

マリ「おかえりー」

マリ「ごはんにする? おふろにする?」

マリ「それともあ・た・し?」ウフン

シンジ「どこでそんな言葉覚えてくるの……?」



40 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:43:50.21 ID:cgTgtqIE0

アスカ「おかえりなさい、パパ」

アスカ「あら……? このくちべにはなに!?」

アスカ「ほかのおんなのこうすいのにおいもする……!」

シンジ「え、なにこの展開」

アスカ「うわきなの!? わたしというものがありながら!」

シンジ「ち、違うよ! 僕は浮気なんて!」

アスカ「ほんとうに……? だったらしょうこみせてよ!」

シンジ「本当だよ! 僕はアスカのことが好きなんだ!」

アスカ「……」///

アスカ「しょ、しょうがないわね。ゆるしてあげるわ」

アスカ「いっひりーべでぃっひ!」ダキッ

シンジ「ドイツ語はわかんないよ、アスカ」

レイ「かぞく……いいものね」

マリ「~♪」



41 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:44:38.55 ID:cgTgtqIE0

ゲンドウ「計画の進捗具合はどうだ」

冬月「問題ない、だが一つ気になることがある」

ゲンドウ「何だ」

冬月「最近、レイの様子がおかしい」

ゲンドウ「……どのようにだ」カタカタカタカタ

冬月「落ち着け、貧乏ゆすりをやめろ」



42 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:45:19.15 ID:cgTgtqIE0

冬月「大した変化ではない。ただ、シンジ君が気になるようでな」

冬月「ちょくちょく私に彼の好みなどを聞いてくる」

ゲンドウ「何故私には聞いてくれんのだ」

冬月「知るか」

ゲンドウ「しかし……まずいな」ガタガタガタガタガタ

冬月「だから落ち着けっての」

冬月「ああ……対策を立てねばならんな」

ゲンドウ「人類幼児化補完計画」

ゲンドウ「全ては子供達の為に……」

ゲンドウ「……もうすぐだよ、ユイ」



45 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:46:23.19 ID:cgTgtqIE0

マリ「きょうはじょしかいだにゃ!」

レイ「……おちゃ」スッ

アスカ「あら、きがきくわね。ヒカリももらいなさい」

ヒカリ「あ、ありがとう」

マリ「おさとうとはちみつのまほうをかけて~♪」ドバドバ

レイ「わたしも」ドゥバドゥバ

アスカ「おんなのこであつまってするはなしといったら……」

マリ「こいばなだにゃ!」



49 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:48:10.40 ID:cgTgtqIE0

レイ「おさとう……いる?」

アスカ「いらないわ! わたしはおとなのおんなだから!」

ヒカリ「わたしはもらうね」サラサラ

マリ「みんなはだれがすきなのかにゃ?」

アスカ「ヒカリはすずはらがすきなのよね」

ヒカリ「えっ」///

アスカ「いいのよ、はずかしがらなくても」

ヒカリ「う、うん……」///

レイ「どんなところがすきなの?」

ヒカリ「え……や、やさしいところ、かな」///

アスカ「ふふっ……ヒカリもまだこどもね」グイッ

アスカ「……にがい」ウエ



50 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:49:16.31 ID:cgTgtqIE0

マリ「マリはシンジせんせいがすき!」

アスカ「ふ、ふーん……」ドバドバ

アスカ「ま、まぁちょっとなさけないけど、わるくはないわね」

アスカ「わたしにつりあうほどじゃないけど」

ヒカリ「レイちゃんはだれがすきなの?」

レイ「すき……よくわからない」

レイ「でも……いかりくんといっしょにいると、ぽかぽかする」

レイ「いかりくんにも……ぽかぽかしてほしい」

アスカ「……っ」



52 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:50:21.07 ID:cgTgtqIE0

アスカ「あんなだめだめなおとこがすきなんて、みんなしゅみがわるいわね!」

アスカ「ああいうだめなおとこは、わたしみたいなしっかりしたおとなのおんなが……」

ヒカリ「アスカもシンジせんせいがすきなの?」

アスカ「そ、そんなわけないじゃない! なんでわたしが」

マリ「すなおじゃないにゃー」

カヲル「なんのはなしだい? ぼくもまぜてくれよ」

マリ「おんなのこだけのひみつだからだめだにゃ」

カヲル「そう……それはざんねんだな」



53 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:51:39.60 ID:cgTgtqIE0

アスカ「いいじゃない、おとこのいけんもさんこうになるかもしれないわ」

ヒカリ「だれがすきか、っておはなしをしていたのよ」

カヲル「それはきょうみぶかいね」

カヲル「ぼくはシンジくんがすきだよ」

アスカ「おとこどうしじゃないの!」

カヲル「あいにせいべつはかんけいないんだよ」

シンジ「あれ? みんな集まってどうしたの?」

カヲル「ふふ……シンジくんにはひみつのおはなしさ」

アスカ「そうよ! シンジはきちゃだめ!」

シンジ「ええー……」



54 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:52:39.96 ID:cgTgtqIE0

アスカ「……zzz」

レイ「……zzz」

マリ「うにゃあ……zzz」

シンジ「ふう……やっと全員寝たか」

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「あ、父さん……どうしたの?」

ゲンドウ「ここでの仕事はどうだ」

シンジ「充実してるよ、大変だけど楽しいしね」

ゲンドウ「そうか……」



56 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:53:38.27 ID:cgTgtqIE0

ゲンドウ「……最近、レイがお前の話ばかりする」

シンジ「?」

ゲンドウ「どういうことだ」

シンジ「知らないよ……」

ゲンドウ「あの……純真可憐超絶かわいいレイが……ううっ」

シンジ「!?」

ゲンドウ「えぐっ、口を開けばお前との話を……私の前で……っ」

ゲンドウ「あまつさえっ、私にも見せたことのない……笑顔を……っ」

シンジ(何なんだこの親父……)



57 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:54:38.18 ID:cgTgtqIE0

ゲンドウ「ふぐっ……私の……私のレイに何をしたぁっ」ボロボロ

シンジ「何もしてないよ……」

ゲンドウ「レイを返せ! 返せよおおぉぉぉ!」ポカポカ

シンジ「ちょっ、やめてよ! 子供達が起きちゃうだろ!」

アスカ「きゃああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

マリ「に゛ゃあああああああああぁぁぁぁぁあぁ!」

ゲンドウ「何事だ!?」キリッ

シンジ「ど、どうしたの!?」



58 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:55:42.50 ID:cgTgtqIE0

アスカ「シンジぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!」ボロボロ

マリ「せんせえええええぇぇぇぇぇぇぇ!」ボロボロ

シンジ「よ、よしよし二人とも……」ナデナデ

シンジ「どうしたの? 何かあったの?」

アスカ「しっ、しっ、しっ」

シンジ「し?」

アスカ「しとがでたぁ……」

シンジ「使徒?」



60 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:56:47.23 ID:cgTgtqIE0

マリ「うえっ、ひぐっ、あっ、あのくろいやつ!」

アスカ「ちっちゃくてはやいやつぅ!」

シンジ「黒くて早い奴……? ああ、イニシャルGか」

シンジ「父さん、僕は二人を見てるから何とかして―――」

シンジ「ってもういないし……どれだけG苦手なんだよあの親父」

G「目標発見」

アスカ「こっちきたああああぁぁぁぁぁ!」

マリ「せっ、せんせいっ、たすけてぇ!」

G「侵攻開始」



62 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:57:56.28 ID:cgTgtqIE0

シンジ「大丈夫だよ、僕がやっつけるから」

シンジ「えーと、新聞紙は……」

G「絨毯爆撃開始」

シンジ「うわぁ!? 飛んだ!?」

アスカ「いやあああああぁぁぁぁぁ!」

パシーン!

シンジ「あ、綾波?」

レイ「……」



64 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 19:59:05.67 ID:cgTgtqIE0

G「生命活動維持、困難」

G「……生命活動、停止」コロリ

レイ「しと……せんめつ」

シンジ「す、凄いね綾波……」

アスカ「こわかったぁ……あう、うぐっ」

マリ「うわあああぁぁぁぁん」

シンジ「もう大丈夫だよ二人とも、綾波がやっつけてくれたから」

アスカ「えこひいき……だんけしぇん……」

レイ「どういたしまして」

レイ「いかりくんがたたかわなくてもいいようにする……」

シンジ「凄いなぁ綾波、みんなの為に、偉いよ」ナデナデ

レイ「……」///



66 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:00:17.00 ID:cgTgtqIE0

アスカ「あらえこひいき、あんたごはんたべないの?」

レイ「……」フルフル

レイ「……おにく、きらいなの」

マリ「すききらいするとおおきくなれないよ?」

アスカ「そうよ、はやくおとなになるためにたべなきゃだめよ」

レイ「おとなのおんな……」

レイ「いかりくんも、おとなのおんながすきなのかしら」

アスカ「おとこはみんな、おとなのおんながすきなのよ」

マリ「ぼいんぼいんがすきなんだよね!」

レイ「ぼいんぼいん……」

レイ「……たべるわ」キラッ

アスカ「ちょ、わ、わたしもまけないんだから!」

マリ「わたしもー♪」



68 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:03:35.27 ID:cgTgtqIE0

………
……


シンジ「みんなお昼ご飯終わった……うわっ!?」

アスカ「うー……」

マリ「にゃあ……」

レイ「あー……」

シンジ「おなかが……ぽっこりしてる」ソワソワ

レイ「いかりくん……さわっちゃ、だめ」

アスカ「いまさわったら……」

マリ「えるしーえるがでるにゃ……」

シンジ「そ、そう……」



69 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:04:53.41 ID:cgTgtqIE0

シンジ「ぐぅ……zzz」

アスカ「……」コソコソ

マリ「……」コソコソ

アスカ「くふふ……」キュポンッ

マリ「にひひ……」キュポンッ



70 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:05:58.75 ID:cgTgtqIE0

………
……


シンジ「んが……ん、しまった……寝ちゃってた……」

カヲル「おや……シンジく―――」

シンジ「やあ、カヲル君」

カヲル「……そうか、そういうことか、リリン……」

シンジ「?」

カヲル「ひとのさだめか……ひとのきぼうはかなしみにつづられているね」

シンジ「カヲル君?」

カヲル「きょうしつにいくまえに、かがみをみることをおすすめするよ」

シンジ「鏡?」

カヲル「ふふ……」



71 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:07:32.24 ID:cgTgtqIE0

………
……


ガラッ

アスカ「あ、あらシンジ……おはよ……くふっ」

マリ「せんせい、おはよう……ぷぷっ」

レイ「……いかりくん、そのおひげ……いかりえんちょう?」

シンジ「……」

シンジ「アスカ、マリ」

アスカ「な、なにかしら?」

マリ「うにゃ?」

シンジ「一緒に鏡を見に行こうか」ニコッ



72 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:08:36.25 ID:cgTgtqIE0

アスカ「わ、わたしはいそがしいからやめとくわ!」

マリ「わたしも! ちょ、ちょっとおはなのおけいこが……」

シンジ「まぁまぁ、そう言わずに」ガッシ

アスカ「いやー! はなしてー!」ジタバタ

マリ「うにゃー!」ジタバタ

シンジ「ふふ……たっぷりおしおきしてあげるから」

アスカ「いやー! くすぐりのけいはいやー!」ジタバタ



73 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:09:44.40 ID:cgTgtqIE0

ザー…………

レイ「あめ……」

レイ「あめ、みずがいっぱい」

レイ「みず、せいめいのみなもと……」

レイ「あめのひ、いつもとちがうひ」

?「……」

レイ「あら、あなたは……」

?「……」

レイ「ふふっ、そう……あなたもさみしいのね」

レイ「おともだちになりましょう」

?「……」



74 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:10:52.84 ID:cgTgtqIE0

………
……


アスカ「はぁ……あめのひはゆううつだわ……」

マリ「かみのけがもしゃもしゃになるにゃ……」

シンジ「二人とも髪長いもんね」

レイ「いかりくん」

シンジ「ん? どうしたの綾波」

レイ「その……おともだちをしょうかいしたいのだけれど」モジモジ

シンジ「おともだち?」



75 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:11:57.90 ID:cgTgtqIE0

レイ「うん……このこなのだけれど」スッ

かえる「ゲロッ……デアリマス」

アスカ「きゃあああああああぁぁぁぁ!?」

マリ「うにゃっ!?」

シンジ「お、大きいカエルだね……」

レイ「あめのなかでさみしそうにしていたので……」

かえる「ファーストコンタクトデアリマス」ピョン

アスカ「いやああああああ! こっちくるなあああぁぁぁぁ!」ダダダダ

マリ「に゛ゃああああああぁぁぁぁぁ!」ドドドド



76 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:12:57.70 ID:cgTgtqIE0

シンジ「さて、書類はこれくらいでいいかな……」

アスカ「……」ボー

シンジ「あれ? アスカ、どうしたの?」

シンジ「みんなとお昼寝の時間じゃ……」

アスカ「うぅー」フラフラ

ポスッ

シンジ「ちょ、アスカ……寝ぼけてるのか」

アスカ「むにゃむにゃ……」

シンジ「ふふ……普段は生意気だけど、寝顔は可愛いな」

アスカ「……ママぁ……」

シンジ「よしよし」



78 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:14:02.11 ID:cgTgtqIE0

アスカ「んぅー……」パチ

シンジ「あ、起きた? 教室に戻って……」

アスカ「ママぁ……おはようのきすぅ……」チュッ

シンジ「むぐ!?」

アスカ「は……? し、しししシンジぃ!?」ワタワタ

シンジ「お、おはようアスカ……」

アスカ「きす……シンジときすしちゃった……」ワナワナ

シンジ「あ、アスカ、落ち着いて、ね?」

アスカ「きす……しちゃったら、こどもができちゃう……」///

シンジ「へ?」



79 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:15:04.97 ID:cgTgtqIE0

アスカ「し、しらないの!? れでぃがかぞくいがいのおとこのひとと、き、きすしたら……」

アスカ「あ、あかちゃんができちゃうのよ!」///

アスカ「……せきにん、とってよね」キッ

シンジ「責任って……僕何もしてないし、それにキスじゃ」

アスカ「それでもおとこなの!?」バンッ

シンジ「わ、わかったよ」



81 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:16:40.37 ID:cgTgtqIE0

………
……


レイ「……」ムー

マリ「ありゃぁ……」

アスカ「~~♪」ベタベタ♪

シンジ「あの~……アスカ?」

アスカ「あかちゃんはおとこのことおんなのこ、どっちかしら?」

シンジ「離れてくれないと……仕事が」

アスカ「まぁ、どっちでもいいわよね!」

アスカ「シンジとわたしのあかちゃんなんだもの」

アスカ「かわいいにきまってるわ!」

ゲンドウ「……シンジ、これは何事だ」

冬月「あの懐きにくいアスカ君がこんなに……」



82 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:17:48.30 ID:cgTgtqIE0

シンジ「いえ……アスカが」

アスカ「あっ、えんちょう!」

アスカ「あのね、わたしとシンジ、けっこんすることにしたの!」

冬月「ほう、急な話だね。どうしてだい?」

アスカ「シンジとわたしのあかちゃんができたの!」

ゲンドウ「!?」

冬月「シンジ君……まさか」

シンジ「ちっ、違いますよ!」

ゲンドウ「そこまでの外道だったか、シンジ……見損なったぞ」



85 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:18:53.79 ID:cgTgtqIE0

シンジ「違いますってば! 実は―――」

カクカクシカジカ

冬月「成程……そういう訳か」

ゲンドウ「だがこうなった以上、事態の収拾は取れ。以上だ」

シンジ「そんなぁ……」

レイ「……」ムー

アスカ「あらえこひいき、どうしたの?」

レイ「……だめ」ガッシ

アスカ「ちょ、ちょっとやめてよ! おなかにあかちゃんがいるのよ!」

レイ「だめ……なの」グイグイ

アスカ「もうむりよ! わたしにはきせいじじつがあるんだから!」

シンジ「そんな言葉どこで覚えてくるんだよ……」



86 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:19:57.04 ID:cgTgtqIE0

レイ「そう……なら」

レイ「……いかりくん」グイッ

シンジ「ん?」

レイ「……」チュッ

シンジ「!?」

ゲンドウ「!?」

冬月「!?」



87 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:21:04.37 ID:cgTgtqIE0

レイ「これで……わたしもいかりくんとけっこんする」///

シンジ「あ、綾波……」

ゲンドウ「あばばばばばbっばばば」ガクガクガク

冬月「れ、レイ君……」ドゥバー

アスカ「なによ! いきなりわりこんできて……このどろぼうねこ!」

レイ「いかりくん、けっこんしましょう」///

アスカ「にほんじゃじゅうこんはできないんだから、あきらめなさい!」

レイ「いや。いかりくんとけっこんするの」



88 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:22:09.70 ID:cgTgtqIE0

ゲンドウ「レイ……レイイイイイイィィィィ!」ダバダバダバ

冬月「う、うわああああぁぁぁぁぁぁ!」ガタガタガタガタ

シンジ「落ち着いてくださいよ二人とも……子供のすることでしょう」

マリ「せんせい、うらやましいにゃー」

マリ「りょうてにはなだね!」

マリ「わたしはまだけっこんはいいかにゃ……もっとあそびたいし」

シンジ「は、ははは……」



91 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:23:36.90 ID:cgTgtqIE0

マヤ「肉眼で確認! パターン青、使徒です!」

リツコ「とうとう来たわね……ミサト!」

ミサト「ええ……アスカ、レイ、準備はいい?」

レイ『問題ありません』

アスカ『当然よ、私を誰だと思ってるの?』

ミサト「ではそのまま待機してて。300秒後に出撃よ」

レイ『了解』

アスカ『了解!』



92 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:24:18.74 ID:cgTgtqIE0

レイ「……」

アスカ「……思えばアンタとも十年の付き合いになるのよね」

レイ「そうね」

アスカ「それが今や二人ともエヴァのパイロット、か」

レイ「嫌なの?」

アスカ「そんな訳ないでしょ」

アスカ「エヴァに乗ることが今の私の存在意義なんだから」

アスカ「……シンジ、今なにしてるのかな……」

レイ「わからないわ。時々手紙は来るから、生きてはいるでしょうけど」

アスカ「マリも外国に行っちゃったし、昔からの知り合いってアンタしかいないのよね」

アスカ「ま、エヴァで戦うのは楽しいし、どっちでもいいけどね」

レイ「エヴァで戦うことは碇君を守ることにもなる」



93 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:24:55.56 ID:cgTgtqIE0

アスカ「なんだ、アンタまだシンジのこと好きなの?」

レイ「わからない。でも、昔から碇君のことを考えると、ぽかぽかする」

アスカ「バカね、それを好きって言うのよ」

レイ「貴女はどうなの」

アスカ「どっちでもいいでしょ」

レイ「よくない。貴女も碇君が好きなら、ライバルになる」

レイ「私はアスカを嫌いじゃない」

レイ「でも、これだけは譲れない」

アスカ「お人形さんみたいなアンタがそこまで言うなんてね……」

レイ「私は人形じゃない」

レイ「あたたかいもの、人を好きになるということ」

レイ「全部、碇君が教えてくれた」



94 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:26:00.43 ID:cgTgtqIE0

アスカ「そうね……ったく、本当に何してるんだか、バカシンジ」

アスカ「こんな美少女二人を放って置いて行くなんて」

アスカ「ほんと……バカなんだから」

ミサト『二人とも、そろそろ出撃よ』

ミサト『初めての使徒との戦闘だけれど、自信を持って』

アスカ「わかってるわよ、任せなさい」

レイ「全力を尽くします」

ミサト『では司令、指示をお願いします』

シンジ「エヴァンゲリオン……出撃」



完!



96 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:27:22.48 ID:cgTgtqIE0

読んでくれた人、支援してくれた人ありがとう。
早くQ観たいな。



97 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:28:42.07 ID:IhqRuVPo0

乙!


98 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/10/27(土) 20:29:20.41 ID:eL0PmRYj0

2015年2月27日金曜日

八幡(他人を傷つけて歩んで、得た幸せ) 八幡(始まりはホント糞みたいなもんだったけど)

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 21:20:32.16 ID:9UhAV+nT0

婚活に必死な平塚先生かわいい


6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 21:34:37.30 ID:9dmPxOMb0

From:平塚静
To:比企谷
――――――――――――――――――――――――――――――

比企谷君、君のその想いは一人の女として素直に嬉しいと思います。
ですが、私は教師、君は生徒という立場である以上、そういった関係は
許されるものではありません。
私は生徒として君を教育し、大学あるいは社会で生きていくための力を
授ける義務があります。


ですから、君が卒業するまで我慢してください。
私も我慢しますから。
卒業後、一緒に支えあって生きていきましょう。


追伸
婚活はもうやめます。
あなたも他の男を追っかける私を見るのは嫌ですよね。

―――――――――――――END―――――――――――――――



八幡「これはマズイ…」


11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 21:43:35.38 ID:9dmPxOMb0

From:平塚静
To:比企谷
――――――――――――――――――――――――――――――

比企谷君、元気にしていますか。
今日は授業で君の声を聞きたいあまり、何回も君に当ててしまって申し訳
ありませんでした。
我慢するといった矢先にこれでは、先が思いやられますね…。

ですが、私の授業中に居眠りするのはやっぱりやめてほしいです。
君の顔を見ながら授業ができることに、私は幸福を感じていますから。

追伸
最近、由比ヶ浜さんがベタベタしているようですが、迷惑してませんか?
不快な思いをしているのであれば、私が口頭でそれとなく注意しますよ。

―――――――――――――END―――――――――――――――


八幡「だからといって一授業で30回はいくらなんでも当て過ぎだろ…」

八幡「むしろ由比ヶ浜は心配してくれたくらいなんだが」


35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 22:06:42.77 ID:9dmPxOMb0

From:平塚静
To:比企谷
――――――――――――――――――――――――――――――――

八幡、今日も元気そうで良かったです。
今日は八幡の進路について少し話しておきたいことがあります。

八幡の進路希望が専業主夫というのは既に知っていますが、私の個人的な
意見を言うと、やはり大学には進んだ方が良いのでは、と思っています。
卒業後、私と一緒になる以上、生活資金に関してはさほど問題としてません。
しかし、今後私に何か問題が起こらないという可能性もゼロではありません。
私と八幡の年齢差も考えると、私が退職した後が少し心配ですから…。
それに八幡にとっても大学卒業というステータスは決して無駄になりません。
八幡に、働け、などと言うつもりはまったくありません。
私はあなたを、あなたは私を、お互いが支えあえばどんな人生であろうとも
歩んでいけるはずですから。

追伸
奉仕部に関してですが、最近どうでしょうか。
八幡の性格矯正という名目で今なお所属しているようですが、よくよく考えると
八幡にはまったく必要のないことでした。
八幡を見極め切れていなかったあの頃の自分が恥ずかしいですね…。
私としてはこの際、退部しても良いと思っています。
雪ノ下さんと由比ヶ浜さんは八幡に負担を与え過ぎですからね。

――――――――――――――END――――――――――――――――

八幡「人生設計が割とリアルで重い…」

八幡「雪ノ下と由比ヶ浜に対する当たりが最近強いのはそういうことか…」


59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 22:25:15.82 ID:9dmPxOMb0

From:比企谷静
To:八幡
――――――――――――――――――――――――――――――――――

八幡、今日は大事な話があります。
それは雪ノ下と由比ヶ浜の両名についてです。

最近のあの二人の八幡に対する行動には我慢がなりません。
開口一番に八幡を貶す雪ノ下、ヒッキーキモい!などとのたまう由比ヶ浜。
正直、最近は二人を殴るのを我慢するので精一杯です。
ですが、絶対に手は出しません。
私の軽率な行動は八幡に、いえ、八幡と私の将来に大きな悪影響を与えてしまう
ことを十分に承知していますから。

これは提案なんですが、あの二人と距離を取ったらどうでしょうか。
八幡の精神衛生上としても、あの両名は良いものとはとても思えません。

……私は、八幡が心配です。


追伸
明日、私の家に来てご飯でもどうでしょうか。
最近は花嫁修業も兼ねて料理にも気合を入れています。
よろしければ、小町ちゃんも一緒に。

―――――――――――――――END―――――――――――――――――

八幡「雪ノ下と由比ヶ浜が、殺気を感じる、とか言ってたのマジだったのか…」

八幡「それに俺の胃袋と小町を懐柔しようとしてるのが見え見え過ぎて怖い…」


99: 八幡の携帯の表示名が変わってるのはもちろん先生がいじってるからです 投稿日:2013/09/15(日) 22:48:33.95 ID:9dmPxOMb0

From:妻
To:夫
――――――――――――――――――――――――――――――――

あなた、今日は最近私達の間に立った噂について相談があります。

最近、クラス内で私とあなたの間柄を噂している者達がいるようです。
いえ、まったくもって事実なので頭から否定はできないのが現実ですが、
それにしてもいい迷惑ですよね。
これも私とあなたの仲を羨み、妬む者共の悪意によるものでしょう。
ですが、私は気にしませんし、八幡も気にしないでください。
現状、私とあなたの関係はどこまでも教師と生徒ですから。
同僚などに尋ねられても、笑って一蹴してやりますよ。
内心では、あなたとの関係を否定しているようで涙を流すことになるでしょうが…。

それにしてもこの噂を流している者たちが気に入りませんね。
大方、あの毒舌家(笑)とクソビッチの暗躍があったと思いますが。

いっそ退学処分にさせる罠でも仕掛けましょうか…

追伸
最近、川崎さんのあなたを見る目がおかしいと思うのですが何かありましたか?
どうなんですか?
ど う な ん で す か ?

―――――――――――――――END――――――――――――――――

八幡「ああ、最近、周りの俺を見る目が変わったのってそういうことだったのかよ…」

八幡「川崎…?いや、何も心当たりなんてないんだが…ていうか怖い、怖いよ…」


128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 23:01:54.70 ID:9dmPxOMb0

From:静
To:あなた
―――――――――――――――――――――――――――――――

あなた、今日のことは本当にごめんなさい…。

あなたが毒舌女とビッチに付き纏われてるのが我慢できなくて、ついあんな
大声を出しちゃったのよ…。
周りの目もあったし、あなたに迷惑をかけてしまって本当にごめんなさい…。

だから、お願い…。



嫌いにならないで…。



あなたに嫌われたら、私、もう生きていけないのよ…。

――――――――――――――END―――――――――――――――


八幡「ああ、そういや雪ノ下は驚きのあまり目を丸くしてたし、由比ヶ浜なんて泣いてたからな…」

八幡「…にしても重い、重過ぎる……俺はなんて軽率なメールを送ってしまったんだ……」


146: 俺が一番好きなの、実はサキサキなんだ… 投稿日:2013/09/15(日) 23:20:14.98 ID:9dmPxOMb0

From:静
To:あなた
――――――――――――――――――――――――――――――――

あなた、今日は本当にありがとう…。

あの毒舌女とビッチに「最近の先生はおかしい」って言われた時、庇ってくれて
ありがとう…。
あの女狐共が、「比企谷君は先生の事を嫌がってる」とか言った時も、格好良く
「別に嫌がっていない。むしろ愛してる」と言ってくれたのも、本当に嬉しかった。


八幡……私も、あなたを愛してる


それにしても、いよいよあの女共が邪魔ね…
最近は、川崎とかいう不良娘も気に障るし…

でも、我慢しなくちゃ、我慢…

―――――――――――――END―――――――――――――――


八幡「いや、『あー、そこまで嫌がっては…』とか濁しただけで、捏造も甚だしい訳だが…」

八幡「…これ、もうヤバイとかいうレベル越えてますよね?」


171: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 23:42:18.91 ID:9dmPxOMb0

From:静
To:あなた
―――――――――――――――――――――――――――――――――

あなた、ついに、ついにやったわ!
ついにあの忌々しい奉仕部(笑)を潰したわ!
あなたも清々したでしょ?

それにしてもビッチ女の泣き縋る顔はもとより、毒舌女の蒼褪めた顔なんて最高
だったわ!
少なくともこれで毒舌女はあなたの前に現れる理由がなくなったわね!

問題はあのビッチね…。
毒舌女がいなくなれば、あなたに余計依存しないかどうか心配だわ…。
あなたのストーカーとかにならなきゃいいんだけど…。
困ったら私に相談してね?警察でもいいんだけど…。


追伸
これからは晩御飯は私の家で食べましょう。
あなたさえ良ければ、泊っていっても…

―――――――――――――――END――――――――――――――――


八幡「そうだ、今日をもって、奉仕部は廃部になったんだった…」

八幡「……雪ノ下、由比ヶ浜、………すまなかった……」


187: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/15(日) 23:55:46.08 ID:9dmPxOMb0

そして月日は経ち―――


From:静
To:あなた
―――――――――――――――――――――――――――――

あなた、明日はいよいよ大学受験ね。
色々なことがあった高校二年と三年だったけど、あなたが大学進学を
決意したとき、やっぱり私は嬉しかった。

私があなたに伝えてきた知識が、役に立つんだもの。
やっぱり、妻としては嬉しかったの。

あまり長いことメールをするのも迷惑だと思うから、今日はこれでね。

あなたの成功を心から願ってます。


八幡、頑張って。

―――――――――――――END――――――――――――――


八幡「…本当に、色々なことがあったな……ふざけたメールから始まった、ふざけた高校生活……」

八幡「色んな奴を傷つけてきちまった…」

八幡「でも、……それでも、俺は……」


203: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 00:15:05.65 ID:MSTRznVn0

From:静
To:あなた
―――――――――――――――――――――――――――――――――

あなた、さっきも言ったけど、本当に合格おめでとう!
妻としても、教師としても、本当に誇らしいわ。

それでこれからのことだけど、四月からは予定通り二人で住むのはいいのよね?
あなたが夜でも側にいてくれる…。
一人の夜はやっぱり寂しかったから、本当に嬉しいの。


…不束者ですが、これからも末長くよろしくお願いします。


追伸
小町ちゃんには、そろそろ私達のことを話すべきかなと思ってるんだけど、どう?
まぁ、あの子鋭いから、なんとなくわかってる風だったけどね。

―――――――――――――――END――――――――――――――――


八幡「そうだ、俺も春からは大学生で、先生と暮らそうとしているのか……」

八幡「別に付き合ってる素振りは見せなかったけど、小町も何か感じてたのは本当だし……」

八幡「……」


208: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 00:22:21.26 ID:MSTRznVn0

そして四月―――


静「…いよいよ明日から、大学生活スタートね、あなた」

八幡「…そうですね」

静「そして今日からここが私たちの家。ここからまた新しい生活がスタートするのね」

八幡「……」

静「?……あなた?」

八幡「……先生、聞いてください。大事な話があります」

静「大事な、話?」


215: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 00:29:12.50 ID:MSTRznVn0

八幡「…俺と先生の全ての始まりのメール、覚えていますか?」

静「もちろんよ。あなたが最初に言ってくれた愛の言葉の入ったメールだもの。忘れるはずがないわ」

八幡「……あれは、冗談でした」

静「……え?」

八幡「もう一度言います。あれは冗談、俺の悪ふざけでした」

静「…う、そでしょ?ねぇ、あなた、冗談にしてはちょっとタチが悪いわよ……?」

八幡「冗談じゃありません。だからあのメールには何の意味もありません。むしろ消した方がいい」

静「……」


226: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 00:35:14.46 ID:MSTRznVn0

八幡「元々はちょっとからかうつもりでした。先生の反応を楽しもうと思ったんですよ」

静「……」

八幡「ですが、事態は俺の思わぬ方向へと向かって行きました」

静「……もう、いい」

八幡「色んな事態を俺の、俺だけが知っている方法で、俺の予想通りに進めてきた俺が、まったく収拾できなかった事態に」

静「もういい!!!!!!!」

八幡「ダメです。最後まで聞いてください」

静「……う、ぐ……ひっぐ……」


238: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 00:43:59.50 ID:MSTRznVn0

八幡「そこからは、まぁ色んなことがありましたね」

静「……ひっぐ……うぐ……」

八幡「学校生活、部活動、放課後、色んな場面で色んなことが」

静「……う、あ……」

八幡「はっきり言いますけど、それらほとんどは先生の暴走に起因するものです」

静「……ぁ」

八幡「……でも、本当に最低で、最悪で、最大の元凶は、言わずもがな、俺なんですよ」

静「……」


242: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 00:53:06.88 ID:MSTRznVn0

八幡「俺から始まったこの悲劇」

八幡「先生を勘違いさせ、暴走させ―――」

八幡「由比ヶ浜を泣かせ、傷つけて―――」

八幡「雪ノ下を哀しませ、心を折って―――」

八幡「川崎なんかにも、まぁ、迷惑掛けて―――」




八幡「それでも俺は、あなたを好きになった」


250: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:02:12.70 ID:MSTRznVn0

静「……ぇ?」

八幡「始まりは歪で、語るのもおぞましいものかもしれません」

静「……」

八幡「でも、それでも俺は、あなたを好きになった」

静「……」

八幡「ぶっちゃけ言うと、最初はただただ重い想いだったんですけどね」

八幡「人から与えられる一途さ、優しさは、俺に、……ぼっちにとっては最大の毒でした」

八幡「周りを観察して、周りとの溝を作って作られて、それなりに上手く自己完結した世界で生きてきた俺が」

八幡「周りの人間が悲しんで、苦しんでも、……側にいて欲しいと、手に入れたいと毒されてしまうほどに」


255: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:08:20.34 ID:MSTRznVn0

静「あ……」

八幡「だから、俺はまた勘違いしたままで、新しく始めたくはないんです」

静「……」

八幡「だから今度こそ、本心から、包み隠さず、俺の心のままに伝えますよ」カチカチ


ピロリン♪ピロリン♪


静「ぁ、携帯……?」


256: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:09:53.07 ID:MSTRznVn0

From:比企谷八幡
To:平塚静
――――――――


先生、好きです


―――END―――


268: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:17:44.72 ID:MSTRznVn0

静「っ!……比企谷っ!」

八幡「違うだろ、静。八幡、もしくは、あなた、だろ?」

静「っ!……八幡!八幡八幡八幡八幡八幡!」ダキッ!

八幡「おー、よしよし……ごめんな、静」ナデナデ

静「うぅ、バカぁ!バカ八幡!うぅ……」

八幡「ここから、今日からまた、一緒に歩んでいこう」

静「……はいっ!」


八幡(始まりはホント糞みたいなもんだったけど)

八幡(他人を傷つけて歩んで、得た幸せ)

八幡(それでも、俺はこの人の側にいようと思う)



八幡(ああ、やはり、俺の青春ラブコメは間違っていた―――)



fin


269: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:18:42.22 ID:lls55Es30




270: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:18:54.86 ID:3VNGlYND0

あーあ


271: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:19:42.54 ID:2Qm0igLG0

先生かわいい


272: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:19:53.02 ID:ni33BShR0

あーくそ

末永く爆発しろ


273: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2013/09/16(月) 01:20:02.26 ID:MSTRznVn0

たった19レス書くのに何時間掛ってんだか…
保守やら支援やらサンクス
雪乃とガハマさん好きには申し訳なかったな

誰か今度はサキサキのSS書いてくれよ(懇願)

シンジ「綾波が無事だったから泣いてるんだ」レイ「どういう顔をしたらいいかわからないの」

1: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:05:51.78 ID:dl74EZZg0

【ネルフ】


シンジ「そんな! 無理だよ、見た事も聞いた事もないのに僕が乗ります!」

リツコ「え?」

ミサト「リツコ。すぐに発進を」

リツコ「乗ってないのに?」


冬月「勝ったな」

ゲンドウ「ああ」

リツコ「?」



3: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:07:46.97 ID:dl74EZZg0

マヤ「LCL注水、すごいですね40%を越えています」

リツコ「100%にして」

ミサト「碇司令。発進!」

リツコ「ちょっ!」



4: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:09:50.52 ID:dl74EZZg0

ミサト「シンジ君、まずは暴走する事だけ考えて」

リツコ「なんて無茶ぶり」


マヤ「パルス逆流! 駄目です、制御出来ません!」

リツコ「まだ発進したばっかりなのに!?」



5: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:16:28.69 ID:dl74EZZg0

ウオオオオオッ!!



マヤ「使徒殲滅!」

リツコ「はや」


『知らない天井だ……』

ミサト「いいわ。私と一緒に住むわよ」

リツコ「何でよ」



6: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:18:46.94 ID:dl74EZZg0

【車の中】


シンジ「これからどこに行くんですか?」

ミサト「あなたの守った街よ」



7: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:23:19.28 ID:dl74EZZg0

【ミサトの家】


ミサト「シンジ君。ここが今日から家よ」

シンジ「ビール、つまみ、ペンペン。どんな生活をしてるんだろう」


ペンペン「クエエエッ」


ミサト「風呂は洗濯よ」

シンジ「知らない天井だ」

ミサト「あなたは人に誉められる、それだけ、お休み」



9: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:26:13.22 ID:dl74EZZg0

【学校】


バキッ

トウジ「すまんなあ、殴らんと気が済まんのや」

ケンスケ「悪いな、こいつ怪我しちゃってさ」


シンジ「僕だって乗ってる訳じゃないのに」



10: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:28:52.54 ID:dl74EZZg0

【ネルフ】


リツコ「シンジ君。転校初日から殴られたそうじゃない」

ミサト「ヤマアラシのジレンマね」

リツコ「?」

ミサト「お尻が冷えちゃって仕方がないわ」

リツコ「??」



11: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:33:01.60 ID:dl74EZZg0

【使徒襲来】


シンジ「照準をセンターに入れて逃げちゃダメだ」

ギュイイイーン

ミサト「バカッ! どうして命令をきかないの!」


マヤ「使徒殲滅!」

リツコ「はや」



12: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:35:08.92 ID:dl74EZZg0

【レイの家】


シンジ「綾波、カード置いてくから」

レイ「どいてくれる」



14: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:36:58.94 ID:dl74EZZg0

【エスカレーター】


レイ「お父さんが信じられないの?」

バシンッ

シンジ「…………」

レイ「…………」



15: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:40:09.21 ID:dl74EZZg0

【ラミちゃん襲来】


ミサト「ヤシマ作戦を発動します」

リツコ「なにそれ」

ミサト「シンジ君は狙撃。レイは盾」

レイ「私は守ればいいのね」

シンジ「僕は撃てばいいんだ」



16: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:41:18.65 ID:dl74EZZg0

【作戦前】


シンジ「綾波はどうしてエヴァに乗ってるの」

レイ「あなたは守るから。さよなら」



17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:42:08.01 ID:dl74EZZg0

【狙撃】


シンジ「発射」チュドン


ラミちゃん「いやん」


マヤ「使徒殲滅!」

リツコ「はや」



18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:42:56.31 ID:dl74EZZg0

【狙撃後】


シンジ「綾波が無事だったから泣いてるんだ」メソメソ

レイ「どういう顔をしたらいいかわからないの」

シンジ「笑って」

レイ「わかった」






20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 19:48:11.24 ID:nOckeQOZo

クソワロタ。乙



27: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/20(木) 21:56:37.59 ID:1NzdQQ7LO

凄いテンポだ…



30: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/11/21(金) 22:27:02.93 ID:59dhjxdso

2015年2月26日木曜日

八幡「できることならあのふとももに膝枕を……いや、やっぱりいい」 雪乃「あなた、怖気ついたの?」

1: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/09(木) 21:17:57.93 ID:ZGAyqilcO


八幡「……なんだ?」

雪乃「あなた、由比ヶ浜さんに卑猥な視線を送るのを辞めなさい」

八幡「……な、なんのことだ?」

雪乃「女子はそういう視線に敏感なのよ?」

八幡「俺は由比ヶ浜を見ることすら許されないのかよ……」

雪乃「そうよ」

八幡「肯定しやがった、こいつ」


結衣(どうしよう、部室入りづらい……)



2: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/09(木) 21:27:28.56 ID:ZGAyqilcO


雪乃「確かに由比ヶ浜さんは素晴らしいスタイルをしているわ。特に彼女の豊満な胸はあなたじゃなくても視線を集めるでしょう」

八幡「……」

雪乃「でも、だからと言ってあなたが凝視していい理由にはならないのよ?由比ヶ浜さんだってきっと困っているわ」


結衣(う~ん……確かに男子に胸見られるのは困るけどヒッキーにだったら……//)


八幡「……雪ノ下」

雪乃「何かしら?」

八幡「おまえは誤解をしている」

雪乃「誤解?」

八幡「……俺は由比ヶ浜の胸を凝視などしていない」

雪乃「え?」


結衣(えっ?)


3: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/09(木) 21:35:28.70 ID:ZGAyqilcO


雪乃「そんな嘘を信じるとでも思っているの?」

八幡「確かに由比ヶ浜の胸は素晴らしい。あれは国宝級だろう」

雪乃「やっぱり、あなたは由比ヶ浜さんの胸を見ているんじゃない」

八幡「……違う」

雪乃「何が違うと言うのかしら?」

八幡「俺が由比ヶ浜を見てるのは……」

雪乃「……」ゴクリ

八幡「   ふとももだ   」

雪乃「なんですって!?」


結衣(はぁぁあ?!)


4: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/09(木) 21:51:18.52 ID:ZGAyqilcO


八幡「由比ヶ浜の太すぎず、細すぎないあのふとももに俺は心を奪われた」

雪乃「……」

八幡「できることならあのふとももに膝枕を……いや、やっぱりいい」

雪乃「あなた、怖気ついたの?」

八幡「違う。あの聖域には立ち入っちゃいけないんだ。それが例えそれが……俺自身であってもな」

雪乃「比企谷君……あなたはそれでいいの?」

八幡「あぁ。俺なんかが触れてはいけないんだ……」

雪乃「比企谷君……」

八幡「雪ノ下、お前の言うとおり由比ヶ浜への俺の視線は許される物ではないのかもしれない」

雪乃「……」


7: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/09(木) 22:04:47.32 ID:ZGAyqilcO


八幡「あのふとももに手を伸ばす勇気がなく視線で追うしかなかった俺はただの臆病者だ」

雪乃「比企谷君」

八幡「だが、わかってほしい。まるで俺の濁った眼でさえも浄化してくれるようなあのふとももがただ、ただ……眩しかっただけなんだ」

雪ノ下「比企谷君!」

八幡「……引くよな、こんなことを考えてるやつなんて。俺の事は退部にしてくれていい。由比ヶ浜のためだ」

雪乃「……引いたりなんかしないわ」

八幡「え?」

雪乃「私、あなたを見直したわ」

八幡「……!」


結衣(ごめん、あたしはちょっと引いた)



14: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/10(金) 22:42:42.64 ID:K3xYBUdhO


雪乃「確かに由比ヶ浜さんは素晴らしいふとももを持ってるわ、比企谷君が触れたいと言ったふともも。すべすべした肌触り、かつ柔らかい、素晴らしいの一言と言える一品だったわ」

八幡「お、おまえは触れたことがあるというのか!?あの聖域(サンクチュアリ)に!」

雪乃「えぇ、彼女が私に抱きついた時に……どさくさに紛れてね」

八幡「流石、雪ノ下。セクハラもエリートレベルだと言うのか……」

雪乃「セクハラ?違うわ。私のは『スキンシップ』だと言うのよ」

八幡「くっ……女子同士のスキンシップがこんなにも羨ましいと思ったことはない……」


結衣(ゆきのんに抱きつくの控えよう……)


15: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/10(金) 22:59:02.46 ID:K3xYBUdhO


雪乃「由比ヶ浜さんは最高よ?彼女の柔らかさ、すべてを包み込む包容力、そして甘えてくる時の声」

八幡「羨ましいを通り越して妬ましいな。それと雪ノ下、鼻血を拭け」⊃ティッシュ

雪乃「ありがとう、比企谷君。ただあなたは思い違いをしているわ」

八幡「思い違い?なんのことだ」

雪乃「彼女の胸は国宝級なんかじゃない、世界遺産レベルよ」

八幡「なんだと!?」

雪乃「彼女と一緒にお風呂に入った時、私は見たの。服の上からでも隠しきれない大きさだけれど脱ぐとさらにすごいのよ。大きさはもちろん、形、弾力、全てにおいてパーフェクトだったわ」

八幡「やめろ……今日一日立ち上がれなくなるだろ」

雪乃「ふふ、今度はあなたがティッシュを使う番かしら?」


結衣( )ドンビキ


16: ◆yXFSVA4eTg 2014/10/10(金) 23:12:01.87 ID:K3xYBUdhO


八幡「いや、材木座のフルヌードを妄想すらから必要ない。……あいつはルックスだけではなく性格も良いよな」

雪乃「ようやくその話題になったわね。彼女の内面の話を始めたら今日は帰れなくなってしまうわよ?」

八幡「手短に済ませよう、由比ヶ浜今日来るんだろう?」

雪乃「えぇ、特に休みの連絡は貰ってないわ」

八幡「こんな会話、由比ヶ浜に聞かれたらそこの窓から飛び降りるしかない」

雪乃「その時は私も一緒に飛び降りてあげるわ」


結衣(二人とももう遅いよ……)


17: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/10(金) 23:22:49.47 ID:XNeX/EJG0

仲いいなおまえら


18: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/11(土) 00:20:53.48 ID:JmROldWEo

ダメだこいつら…


19: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/11(土) 04:20:58.41 ID:jjsO+R6DO

変態八幡に百合のん…


20: VIPにかわりましてNIPPERがお送りします 2014/10/11(土) 08:12:22.03 ID:CTrQSEbhO

天使のいない12月みたいなドラマが見れそうだわ……

ミサト「見事にひと塊で寝てるわねぇ。仲のよろしいことで」ミサト「ただいまペンペン。シンジ君たちは?」

1: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:37:10 ID:xiQ.QQ/E

シンジ「アスカ。なにしてんの?」

アスカ「だっこ神拳」

シンジ「え。なに??」

アスカ「この構えを取られると、シンジはだっこせずにいられないという―――」

シンジ「……」



2: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:40:00 ID:xiQ.QQ/E

アスカ「(つ・ω・)つ」アチョー

シンジ「えっと……あのさ。アスカ」

アスカ「(つ´・ω・)つ」

シンジ「はぁ……だっこするからこっち来て」

アスカ「ほーら効いた。もう、バカシンジはしょうがないわね~」



3: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:43:19 ID:xiQ.QQ/E

ぎゅぅ

アスカ「んー」ゴロゴロ

シンジ「アスカ、そのナントカ神拳だけど」

アスカ「ん?」

シンジ「僕が忙しい時は使わないでね? ご飯の前とかさ」

アスカ「なんでよっ」

シンジ「お願いだから」

アスカ「むぅ。ま、勘弁してやるわ」

シンジ「ありがと……」

アスカ「んんー」ゴロゴロ



4: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:46:13 ID:xiQ.QQ/E

シンジ「アスカぁ、朝だよー」

ガラガラ

アスカ「ふぁぁ。ミサトは?」

シンジ「昨日は遅かったみたいで、まだ寝てる」

アスカ「(つ・ω・)つ」ヤッタ!

シンジ「……いや、ほら。朝は時間無いから。ね?」

アスカ「(つ・ω・)つ」チョット

シンジ「……」

ぎゅぅ

アスカ「ふふ」



5: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:49:26 ID:xiQ.QQ/E

学校~屋上

シンジ(アスカ、さすがに授業中は大人しくて助かった。ヒヤヒヤしたけど)

シンジ(……屋上、いつでも入れるってどうなんだろ。この学校って安全管理が結構いい加減だよな)

シンジ(おかげで日向ぼっこできるからいいか―――)

ギィ

シンジ「?」

アスカ「シンジ。こんなとこいたのね」

シンジ「うん。なに?」

アスカ「別にぃ」

シンジ「……」

アスカ「⊂(・ω・⊂)」

シンジ「やっぱり」



6: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:53:11 ID:xiQ.QQ/E

シンジ「でも僕、今あんまり立ちたくない」

アスカ「じゃ、いいわよ。そのまま寝てても」

ドサッ

シンジ「ぶげっ」

アスカ「なによぶげって。失礼ねー、私が重いみたいじゃない」

シンジ「だって……もう少し丁寧に乗っかってよ!」

アスカ「身体鍛えなさいよ。ん~」ゴロゴロ

シンジ「はぁ」

アスカ「……」ゴロゴロ

シンジ「……」ナデナデ



7: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:56:09 ID:xiQ.QQ/E

リツコ「本日の訓練は以上よ」

ミサト「お疲れさま、3人とも。もう上がっていいわよ」


更衣室

シンジ「アスカ、まだ?」

アスカ『女子の着替えを急かすんじゃないわよ、スケベ』

シンジ「スケベは関係ないだろ」

アスカ『おし。シンジ、ちょっと入ってきて』

シンジ「更衣室に?」



8: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 01:57:27 ID:xiQ.QQ/E

プシュッ

シンジ「なにアスカ」

アスカ「(つ・ω・)つ」アチョー

シンジ「……まぁそんな予感はしたんだ。構えたまま待ってるとは思わなかったけど」

アスカ「(つ`・ω・´)つ」アチョチョー

ぎゅぅ

アスカ「ふぁ」

シンジ(うっ。女子更衣室で女の子だっこしてると、ちょっと意識しちゃうな……)

アスカ「にゃふ」グリグリ

プシュッ

シンジ「ッ!?」

アスカ「あ」

レイ「……」



9: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 02:00:33 ID:xiQ.QQ/E

レイ「なに、してるの?」

シンジ「あ、いやあの! これはっ」

アスカ「ファースト、あんた帰ったんじゃなかったの!?」

レイ「忘れ物―――なにしてたの?」

シンジ「えっと……」

アスカ「勘違いしないでよねスケベなことじゃないんだから! だ……だ、だっこ神拳よ」

レイ「? なにそれ」

アスカ「なにって。構えられると……バカシンジはついだっこしちゃうっていう……拳法で」

シンジ(アスカ真っ赤だ。改めて説明するとすごく恥ずかしいもんな……)

レイ「それをすると、さっきみたいになるの?」

アスカ「ま、まぁ。そういう事」

レイ「……」



10: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 02:03:17 ID:xiQ.QQ/E

レイ「私もする」

シンジ「え?」

レイ「だっこ神拳。それをすると、碇君にだっこしてもらえるのね?」

シンジ「えええ」

アスカ「ダメぇっ!」

レイ「どうして?」

アスカ「どうしてじゃないわよ。あんたはダメ」

レイ「なぜ? 碇君にだっこしてもらうだけなのに」

アスカ「うっさい! ダメったらダメ!!」

レイ「私が碇君にだっこされると、あなたに不都合があるの?」

アスカ「うっ……別に……誰がシンジにだっこされたって……」

レイ「なら邪魔しないで」

アスカ「う、ぐぅぅ」

レイ「(つ・ω・)つ」コウ?



11: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 02:05:46 ID:xiQ.QQ/E

レイ「(つ・ω・)つ」コウスルノ?

アスカ「うー、うー」

シンジ(ど、どうしよう。これは……だっこしてもマズいけど、神拳効かないってのもマズいような)

レイ「(つ・ω・)つ」マダ?

シンジ(どうしようどうしようどうしよう)

アスカ「だ……だから! それじゃダメなの!!」

レイ「?」

アスカ「だっこ神拳はそんな簡単なものじゃないんだからっ」



12: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 02:07:40 ID:xiQ.QQ/E

アスカ「身につけるにはそれなりの修行が必要なのよ。形だけ真似したってシンジは操れないわ!」

シンジ「へー」

レイ「そうなの?」

シンジ「え。うん……多分まぁ。そうみたい」

アスカ「残念だったわねーファースト」

レイ「師匠」

アスカ「……は?」

レイ「今日から弐号機パイロットのことを師匠と呼ぶわ」

アスカ「し、師匠!?」

レイ「私にだっこ神拳を教えて。師匠」

アスカ「師匠……」

シンジ(うわ。アスカの目がキラキラしてる)



13: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 02:09:20 ID:xiQ.QQ/E

アスカ「仕方ないわね! あんたは今日から私の弟子よ!」

レイ「よろしくお願いします」

アスカ「うむうむ。苦しゅうない」

シンジ「なんだこれ」

レイ「で、何をすればいいの?」

アスカ「え……? そーねえ。とりあえず今日は帰りなさい、遅くなるし。修行は明日から」

レイ「早く覚えたいわ」

アスカ「師匠の言うことに逆らわない!」

レイ「……はい。碇君、師匠、さよなら」

プシュッ

アスカ「ふっふっふ。とうとうあのファーストを支配下に置く日が来たのね」

シンジ「ねえアスカ。いいの? 教えるなら、最終的には綾波のこともだっこしなくちゃいけないけど」

アスカ「あ……」



15: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 02:11:24 ID:xiQ.QQ/E

その夜~葛城邸

アスカ「いただきまーす」

シンジ「どうぞ」

アスカ「(´・ω・`)」モキュモキュ

シンジ「……アスカってもきゅもきゅって感じで食べるよね」

アスカ「なにそれ。バカにしてんの?」

シンジ「違うよ。どっちかって言うと、可愛いなーと思って」

アスカ「ふん」

シンジ「……」

アスカ「(´・ω・`)」モキュモキュ

シンジ(もきゅもきゅしてる)

シンジ「ところでさ。綾波に修行つけるって、何するか決めてるの?」

アスカ「あったり前じゃない! バッチリ考えてあるわよ」

シンジ「ふーん」

アスカ「(´・ω・`)」モキュモキュ



23: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:04:55 ID:190Twt3w

翌日~葛城邸

アスカ「じゃ、始めるわよファースト……いえ、レイ!」

レイ「はい」

アスカ「私の弟子の練習のために、特別にこんな物を用意したわ」

ガサッ

シンジ「何これ?」

アスカ「バカシンジの身代わり」

シンジ「身代わりって。ただのダンボールじゃないか」

アスカ「はっ、あんたバカぁ!? 裏っかわ見てみなさいよ」

シンジ「……紙が貼ってある」



24: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:05:37 ID:190Twt3w

『ばかしんじ』


シンジ「……」

レイ「……」

アスカ「どー見てもバカシンジの身代わりでしょ?」

シンジ「ただ貼ってあるだけ!?」

アスカ「なによ文句あるの? だっこ神拳継承への道は険しいんだから」

レイ「私―――やります。師匠」

アスカ「うむ!」



26: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:08:47 ID:190Twt3w

アスカ「(つ・ω・)つ」コウヨ!

レイ「(つ・ω・)つ」コウ?

アスカ「(つ`・ω・´)つ」シンジ!

シンジ「はいはい」

ぎゅっ

アスカ「はぅ」

レイ「(つ・ω・)つ」…

アスカ「ほら、レイは身代わりシンジに抱きつく!」

レイ「はい」ガサッ



27: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:11:20 ID:190Twt3w

アスカ「そろそろ一端離れて。すぐまたいくわよー」

シンジ「はぁ」

アスカ「(つ・ω・)つ」アチョー

レイ「(つ・ω・)つ」アチョー

ぎゅぅ

アスカ「ふにぁぁ」ゴロゴロ

レイ「……」ガサガサ



29: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:14:22 ID:190Twt3w

シンジ「あ、あのさ。アスカ」

アスカ「なぁにぃ♥」

シンジ(上機嫌だな……)

シンジ「これってなんだかさ、綾波が……その」

レイ「……」ガサガサ

シンジ「可哀想って言うか……僕が言うのもヘンだけど」

アスカ「しょーがないじゃない修行なんだから」

レイ「……ありがとう碇君。碇君にだっこしてもらえるよう、私頑張る」

シンジ「綾波。でも」

レイ「師匠、続けてください!」

アスカ「う……っ」



31: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:18:51 ID:190Twt3w

アスカ「じゃ、じゃあまあ、次ね」

レイ「はい」

ぎゅぅぅ
ガサガサ

アスカ「ん~」

レイ「……」

アスカ「んん~」

レイ「……ぁ」ポタッ

シンジ「!?」

レイ「私……泣いてる。これが涙」

シンジ「綾波っ」

レイ「大丈夫。まだやれるわ。師匠、お願い」

アスカ「う、ぅぅっ」

シンジ「アスカぁ」

レイ「師匠!」

アスカ「ああもう! 分かったわよっ、免許皆伝してシンジにだっこさせてあげるわ!」



32: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:23:36 ID:190Twt3w

アスカ「ただし私も一緒の時だけ。監視の無い場では使用禁止よ! いいわねレイ」

レイ「はいっ」

シンジ「……」

アスカ「なによその顔」

シンジ「ううん、なんでも無い」

シンジ(その条件ってほとんど意味ないっていうか、どーせほぼ一日中アスカと一緒なの忘れてるな)

アスカ「ふ。私って弟子想いね」



34: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:34:37 ID:190Twt3w

学校~屋上

アスカ「(つ・ω・)つ」チョンワ

シンジ「よいしょ」

ぎゅぅ

アスカ「んふ~」

レイ「⊂(・ω・⊂)」コッチモ

シンジ「順番にね」

ぎゅぅ

レイ「はぁぁ」

アスカ「(つ・ω・)つ」コウタイ!

シンジ「はいはい」



35: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:34:54 ID:190Twt3w

ぎゅぅぅ

シンジ(ふう。さすがにちょっと、腕疲れてきたな)

アスカ「シンジー」ゴロゴロ

レイ「碇くん……」ゴロゴロ

シンジ(……ま、いいか)



36: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:49:47 ID:190Twt3w

数日後~

ミサト『三人とも、聴こえてる?』

レイ「はい」

アスカ「バッチリ」

シンジ「はい!」

ミサト『目標の使徒は、5時間前から観測でもこれといって動きも見せていないわ。でもこちらかの遠距離射撃も効果がない』

アスカ「突っ込めば?」

ミサト『そうしたいところだけどね』

シンジ「ダメなんですか?」

ミサト『近距離では、エヴァの装甲でも役に立たないこわ~い武器を持ってることを確認済みよ』

アスカ「じゃあどうすんのよ」

リツコ『悪いけど、目標を監視しつつしばらくその位置で待機』

アスカ「え~」

ミサト『今、仕掛けるきっかけを作るための無人機を戦自から調達させてるわ』



38: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 14:59:11 ID:190Twt3w

シンジ(準備が整うまでは膠着状態ってことか……やだな)

シンジ(使徒がそれまで待っててくれるとも限らないし)

~~~~

アスカ「ミサト! まだなの?」

ミサト『戦自が渋ってんのよ。悪いけどまだしばらく―――ただ、緊張は解かないで』

シンジ(……待つだけって、結構キツいや)

アスカ「うぅ~~っ」

シンジ(アスカ。だいぶイラついてる……な!)

弐号機「(つ・ω・)つ」

ミサト『な、なに??』

シンジ「アスカぁ!?」

マヤ『零号機も動き出しましたっ』

零号機「⊂(・ω・⊂)」

シンジ「綾波までっ!?」



39: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 15:07:10 ID:190Twt3w

弐号機「(つ・ω・)つ」モウヤダ

零号機「⊂(・ω・⊂)」ダッコナノ

ミサト『なにこれ、なんなの???』

弐号機「(つ・ω・)つ」アチョー

零号機「⊂(・ω・⊂)」アチョチョー

シンジ(あ、あれしたらだっこしてもらえるって―――二人は(勝手に)信じてるわけで……)

シンジ(でも今の状況でされてもっ! でもいまさら期待を裏切るのもっ!)

弐号機「(つ´・ω・`)つ」

零号機「⊂(´・ω・`⊂)」

シンジ「あああああああ……」



40: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 15:14:46 ID:190Twt3w

シンジ「す――――――」

ミサト『酢?』

シンジ「す、す、隙ありいいいいいいいいっっ!!!」

ドダダダダダダッ!

ミサト『えええ?』

リツコ『特攻!?』

ミサト『ちょっ。シンジ君、どうしたのッッ!?』

シンジ「うぉぉぉああぁぁぁぁぁーーー!」

ザシュッ!

シンジ「ぐぅっ…………く。このぉぉっっ!!」

ガキッ! ザクッッ!

シンジ「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」

―――ぐしゃっ



マヤ「も……目標、沈黙しました」



42: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 15:26:46 ID:190Twt3w

ミサト「……さっぱり分からん」

青葉「隙がどうとか叫んでましたね」

日向「使徒と直接対峙してきたパイロットにしか理解できないような隙があったってことか?」

マヤ「まさか」

リツコ「ひょっとして……」

マヤ「先輩?」

リツコ「シンジ君は、天と地と万物を紡ぎ相補性の巨大なうねりの中で自らエネルギーの疑縮体に―――」

ミサト「あーはいはい」

リツコ「―――純粋に人の願いを叶える、ただそれだけのために」

ミサト「ま、赤木博士ぇの発作は置いといて。当のシンちゃんは?」

日向「使徒を殲滅直後、初号機から飛び出て走って行きました」

ミサト「はぁ??」



43: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 15:36:18 ID:190Twt3w

シンジ「ハァ、ハァ、ハァ……」

アスカ「シンジ」

レイ「碇君。大丈夫?」

シンジ(エヴァの陰なら人に見られない……かな?)

ぎゅっ

アスカ「ん、にゃふふ」

シンジ「ほら。綾波も」

ぎゅっ

レイ「あぁ♥」

シンジ「……」



44: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/11(水) 15:41:17 ID:190Twt3w

アスカ「? ねえ、なんかちょっと顔が怖くない?」

シンジ「……」

レイ「どうかしたの?」

シンジ「あのさ……僕、言っておいただろ!? 忙しい時は神拳ダメだって」

アスカ「だって忙しくはなかったわよねー、レイ。じっとしてただけだし」

レイ「むしろ退屈だったわ」

シンジ「はぁ……もうっ!」



49: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:11:48 ID:9C9x88lk

葛城邸

アスカ「むぅ。シンジが部屋に閉じこもっちゃった……」

レイ「あの後葛城三佐と、碇司令からも厳重注意を受けたみたい」

アスカ「おっかしーわねー、何がいけなかったんだろ」

レイ「やっぱりあのタイミングでだっこ神拳は……」

アスカ「あんたもやったじゃない」

レイ「師匠が先にやったから」

アスカ「……」

レイ「……」



50: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:13:03 ID:9C9x88lk

アスカ「もう! 仕方ない、バカシンジのご機嫌でも取ってやるか」

レイ「どうするの?」

アスカ「そうねぇ。誰かを喜ばせるにはまず、自分がされて嬉しいことを考えればいいんじゃない?」

レイ「されて嬉しいこと……」



51: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:13:52 ID:9C9x88lk

コンコン

アスカ「シンジー」

レイ「碇君。起きてる?」

シンジ『……しばらく休ませてよ。疲れちゃった』

アスカ「だから癒しにきてあげたのよ」

シンジ『?』

ガラガラ

シンジ「……なに?」

アスカ「ふっふふ。いっつもだっこさせてるから、たまにはあんたをだっこしてあげる」

レイ「あげるわ」



52: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:15:22 ID:9C9x88lk

シンジ「い、いいよっ、だっことかそんな」

アスカ「なぁに遠慮してんのガキのくせに」

シンジ「同い年だろ」

アスカ「だっこされてるとねー、心が『フワ~』っとなるんだから」

シンジ「ふわー……」

アスカ「ってことでホラ、あれやんなさい」

シンジ「あれって…………アレを!? 僕も!?」

レイ「碇君ならきっとすぐ出来るわ」

シンジ「えぇぇ……」

アスカ「さぁっ、さっさとする!」



54: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:28:50 ID:9C9x88lk

シンジ「ねえ、ホントにやるの?」

アスカ「は・や・く!」

シンジ「ううっ」

アスカ「……」ジーッ

レイ「……」ジーッ

シンジ(に、逃げられない。逃げちゃダメ、なのかなぁ)



55: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:29:35 ID:9C9x88lk

シンジ「(つ・ω・)つ」…

レイ「上手!」

アスカ「よし。いい感じよシンジ。も少し指をぴんとして、それで『アチョー』って」

シンジ「(つ・ω・)つ」ア、アチョー

アスカ「よく出来ました! はいだっこー」

むぎゅぅ

シンジ「うわっ!?」

アスカ「んふふ。いーこいーこしてあげますからねーシンちゃん」

シンジ(む、胸が、顔にっ。ムニってうぁぁ)

アスカ「……」ナデナデ

シンジ「///」



56: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:39:55 ID:9C9x88lk

レイ「師匠。次は私も碇君をだっこしたい」

アスカ「却下! これは絶対私だけなの」

レイ「……そう。なら私は、師匠にだっこされてる碇君にだっこされてるわ」

シンジ「え。でもどうやって」

レイ「こうして……」

むぎゅぅ

レイ「はぁ。碇くん」スリスリ

アスカ「あ、ちょっとコラっ」

レイ「碇くん……」スリスリ

アスカ「レイ、それただ抱きついてるだけじゃない! シンジ癒しに来たんでしょ!?」

レイ「……駄目?」

シンジ「い、いやまぁ……構わないけど」



57: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:45:28 ID:9C9x88lk

~~~~

アスカ「どぉシンジ。癒される?」

シンジ「ぅ……うん」

アスカ「ホワァ~ってなるでしょ」ナデナデ

レイ「あったかい」スリスリ

シンジ「……」



シンジ(いい匂いがする―――二人共、柔らかくてあったかくて)

シンジ(なんだか、ホントにほわぁってしてきた……)



58: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:50:41 ID:9C9x88lk

プシュッ

ミサト「たっだいまー」

ペンペン「クェェ!」

ミサト「ただいまペンペン。シンジ君たちは?」

ペンペン「クェッ」

ミサト「ん?」

トタトタ



ミサト「……おやまぁ」



60: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:53:14 ID:9C9x88lk

アスカ「クー、クー」

レイ「スゥ」

シンジ「スー、スー……」

ミサト「見事にひと塊で寝てるわねぇ。仲のよろしいことで」

ペンペン「クエェ?」

ミサト「あ。起こさなくていいわよ、ペンペン。それより布団かけてあげなくっちゃ」



おわり



61: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 17:57:16 ID:XdRSiFec





62: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/12(木) 18:24:01 ID:UG0cpM1I


よかった



69: 以下、名無しが深夜にお送りします 2012/01/15(日) 06:21:58 ID:sZ0B1hOQ



アスカ「……お菓子作り、ちゃんと、教えてもらおうかなって」 シンジ「負けないくらい、頑張るよ」

1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 20:56:14.97 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「うん、日本のバレンタインデーはチョコを渡すのよ」

アスカ「ふーん」

ヒカリ「……あんまり興味なさそうね?」

アスカ「だって、私、付き合ってる人いないし」


ヒカリ「日本では別に付き合っていなくても、あげていいのよ」

アスカ「そうなの?」

ヒカリ「うん。好きな人、憧れている人、日頃お世話になっている人……そういう人にあげるの」

アスカ「へぇ」



3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 20:58:40.50 ID:dBg6YBHwP

アスカ「じゃあ、2月14日はチョコ食べ放題ね!」

ヒカリ「……なんで?」

アスカ「だって、私に憧れている人なんて、くさる程いるでしょ?」

ヒカリ「そうだと思うけど……あ、そっか」

アスカ「なに?」


ヒカリ「日本のバレンタインはね、女の人が、男の人にあげるの。ドイツとは逆よ」

アスカ「……はぁ!?」

ヒカリ「え、ええ?」

アスカ「なんで女性が損しないといけないのよ!!」

アスカ「えー……」



5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:00:26.49 ID:dBg6YBHwP

アスカ「納得いかない……どうして、そんなことがまかり通っているの……」

ヒカリ「あのね、アスカ、バレンタインはね」

アスカ「なによ?」


ヒカリ「そ、その……日頃、伝えられない感謝や想いを、告げる機会を与えてくれる日っていうか……」

アスカ「……」

ヒカリ「なかなか言えないことってあるでしょ? それをね、チョコに込めて渡すのよ」

アスカ「……」


ヒカリ「アスカ?」

アスカ「なるほど。概ね理解したわ」

ヒカリ「ほんと?」



8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:02:21.51 ID:dBg6YBHwP

アスカ「でも、解せないわ。告白なんて、好きな時にしたらいいじゃない」

ヒカリ「だ、だから、そういう勇気がもてない人もいるから!」

アスカ「そうかもしれないけどー」


ヒカリ「あ、それとね! 最近は友チョコっていうのも流行っててね」

アスカ「友チョコ?」

ヒカリ「うん。女の子同士でね、友達にあげるのよ」


アスカ「……間違ってたらごめんだけど、それってバレンタイン関係あるの?」

ヒカリ「……えーっと……」

アスカ「チョコ繋がりじゃない! チョコの売り上げを伸ばすために誰かが企てた陰謀よ!」

ヒカリ「わぁー……その手の話、久々に聞いたよ……」



9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:04:06.58 ID:dBg6YBHwP

アスカ「駄目よ、ヒカリ、大人に騙されちゃ」

ヒカリ「うーん……アスカにチョコ、あげようと思ったんだけどな」

アスカ「それは貰うわ」

ヒカリ「え、え?」

アスカ「バレンタイン関係なくってことでよろしく」

ヒカリ「いいけどさぁ……」


ヒカリ「……あ、でも、アスカ」

アスカ「なに?」

ヒカリ「碇君には、チョコ、あげるよね?」

アスカ「……はぁ?」



10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:06:46.18 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……なんで、私があのバカにそんなものあげなくちゃいけないのよ」

ヒカリ「えっと」

アスカ「変なこと言ったら、ぶっとばすわよ」


ヒカリ「……」

アスカ「……」

ヒカリ「……」

アスカ「……」


ヒカリ「……そ、そう、感謝!」

アスカ「あん?」

ヒカリ「感謝のね、思いを込めて!!」

アスカ「感謝ぁ~?」



11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:09:43.80 ID:dBg6YBHwP

アスカ「なんで、私が感謝しなくちゃいけないのよ」

ヒカリ「だ、だって、いつもお世話になってるでしょ?」

アスカ「なってないわよ!」

ヒカリ「……ほら、ご飯とか、作ってもらってるんじゃ」

アスカ「むしろお世話してる!!」


ヒカリ「……」

アスカ「……」


ヒカリ「……そ、そっか」

アスカ「そうよ」



13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:11:50.94 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「でも、本当にいいの?」

アスカ「……なにがよ?」

ヒカリ「チョコ、あげない?」

アスカ「あげない」


ヒカリ「……ほんとに?」

アスカ「あげない!」

ヒカリ「ふーん……」

アスカ「……」



アスカ「…………」



14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:14:15.04 ID:dBg6YBHwP

ミサト「……んっんっ」ゴクゴク

アスカ「……」

ミサト「……んっんっ」ゴクゴク

アスカ「……」


ミサト「ぷっはぁー! 今日もシンジ君のご飯と、ビールが美味いっ!!」

アスカ「……ミサト、おやじ臭い」

ミサト「なによぉー、アスカだって美味しいでしょ、ご飯ー」

アスカ「別に……普通でしょ、これくらい」


ミサト「普通じゃないわよ!」ドンッ

アスカ「な、なんでよ」



16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:17:11.94 ID:dBg6YBHwP

ミサト「学校行って、エヴァの訓練して……見知らぬ土地で中学生の男の子が一人……まぁこれはアスカも同じだけど……」

アスカ「……」

ミサト「その上、家事をこなして、私たちの分までご飯を作ってくれるのよ」

アスカ「……」

ミサト「これが普通なら、世の中学生全員、NERVの職員として働いてもらいたいくらいよ」

アスカ「……」


アスカ「……なら、ミサトがご飯、作ればいいじゃない」

ミサト「それは無理ー! シンジくーん! いつもありがとー!!」



17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:20:10.65 ID:dBg6YBHwP

シンジ「―――ちょっと、ミサトさん、飲みすぎじゃないですか?」


ミサト「あ、シンジくーん! ご飯美味しいわよ―」

シンジ「はいはい」

ミサト「はぁ、幸せ……シンジ君、私がお婆ちゃんになったら、介護よろしくね」

シンジ「いつの話ですか……まだ若いのに」

ミサト「キャー! ちょっと聞いた、アスカ!? まだ若いですって!」


シンジ「……はぁ」

アスカ「こんな大人にはなりたくないわね」


ミサト「キャーキャー!!」



19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:22:30.74 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……でも、感謝、かぁ」ボソッ


シンジ「なにか言った?」

アスカ「なんでもないわ」

シンジ「そう?」

アスカ「……」


ミサト「シンちゃん、シンちゃん」

シンジ「はい?」

ミサト「吐く」

シンジ「吐きそうとかじゃなくて断定ですか!? トイレ連れていきますから、少しだけ堪えてください!」

ミサト「ううう……」オエッ



アスカ「…………」



20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:25:55.06 ID:dBg6YBHwP

―――『いらっしゃいませー』


アスカ「……」

アスカ「……」

アスカ「お菓子、お菓子……」


アスカ「……」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「……あった、ここね」

アスカ「……」



21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:28:21.24 ID:dBg6YBHwP

アスカ「チョコって、どういうのが……」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「ポッキー……とかよりは、普通の板チョコ?」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「100円……?」

アスカ「こんなので、いいのかしら?」


アスカ「……」



24: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:30:35.76 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……!」

アスカ「バレンタインフェア……」


アスカ「……」

アスカ「いろいろ、あるのね……」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「義理と……本命?」

アスカ「……なに、それ」


アスカ「……」

アスカ「……」

アスカ「……ああ、そういう……」



26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:32:20.50 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……私は、当然」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「…………義理、よね」

アスカ「感謝、だし」

アスカ「……」

アスカ「……うん」


アスカ「……」

アスカ「……どれに、しよう」



27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:34:54.19 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「―――あれ、アスカ?」

アスカ「……!」ビクッ


ヒカリ「こういうとこで会うの、珍しいね」

アスカ「……」

ヒカリ「なにを買いに来たの?」

アスカ「……夕飯」

ヒカリ「え?」


アスカ「夕飯の、おかずの、その……足りなくて」

ヒカリ「ああ、おつかいなんだ」



28: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:37:43.49 ID:dBg6YBHwP

アスカ「そ、そうよ、バカシンジのやつ、私をおつかいに行かせるなんて、生意気!」

ヒカリ「あはは」


アスカ「ヒカリは、なにしてんのよ」

ヒカリ「私? 私は……」

アスカ「……」

ヒカリ「えーっと……」


アスカ「……バレンタインのチョコ、買いに来たんだ?」

ヒカリ「!」ピク



29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:39:49.73 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「ま、まぁ、そう、かな? そうだね!」

アスカ「……鈴原にあげるんだ?」

ヒカリ「な、なんで、そこで鈴原の名前っ!」


アスカ「……」ジトー

ヒカリ「……」

アスカ「……」


ヒカリ「う……そ、そうです、鈴原にあげるためのチョコを買いに来ました」

アスカ「やっぱり」



31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:42:26.15 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「で、でもね、アスカにあげる分もだよ!」

アスカ「別に私の分なんて、ついででも構わないわよ」

ヒカリ「そんな気はないけど……」

アスカ「……で、どんなチョコ、あげるの?」


ヒカリ「うーん、やっぱり手作りにしようかなって」

アスカ「手作り? どうして?」

ヒカリ「だって、やっぱり、本命チョコは手作り……」


アスカ「……」

ヒカリ「……じゃ、じゃなくて、あ、あの」

アスカ「……」



34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:45:30.37 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「や、安上がりになるから! 手作りの方が!」

アスカ「ふーん」

ヒカリ「……絶対、信じてないじゃん……」

アスカ「ま、ね」

ヒカリ「……」


アスカ「そうねぇ、本命ねぇ……」

ヒカリ「……」

アスカ「それだけ、ヒカリの気持ち、込めてれば美味しくもなるわよね」

ヒカリ「ううう……」



35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:48:33.78 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「も、もういいでしょ! 私、行くからね!」

アスカ「―――ちょっと待って!」ガシッ


ヒカリ「……なに?」

アスカ「……」

ヒカリ「アスカ?」

アスカ「……」


アスカ「……て、手伝って、あげよっか?」

ヒカリ「……え?」



36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:51:03.58 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……だから、チョコ、作るの……手伝ってあげるわよ」

ヒカリ「え、でもこういうのって、一人で……」


アスカ「……」

ヒカリ「……あ、そっか……」

アスカ「……」

ヒカリ「そうだね、うん! アスカにも手伝って貰っちゃおっかな!」

アスカ「……うん」


ヒカリ「ん、頑張ろうね!」

アスカ「……ええ」



38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:54:49.57 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「―――それでね、溶かしたやつを、冷水と温水で、温度調節しながら……」


アスカ「……」

ヒカリ「うん、これを型に入れて、コーティングすれば、完成だよ!」

アスカ「……え、お終い?」


ヒカリ「そうだけど」

アスカ「溶かして固めただけじゃない?」

ヒカリ「……で、でもさ、こういうのって気持ちの問題だから」

アスカ「そうかもしんないけど……」



39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:56:16.60 ID:dBg6YBHwP

アスカ「あれ?」

ヒカリ「なに?」


アスカ「あのレシピ本って」

ヒカリ「……! ……こ、これはね」

アスカ「ちょっと見せて」

ヒカリ「……だめ!」


アスカ「……」ペラッ

ヒカリ「……ああ」



41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 21:58:31.36 ID:dBg6YBHwP

アスカ「ねぇ、ヒカリ?」

ヒカリ「……なぁに」


アスカ「この本、ずいぶん読み込んであるわね」

ヒカリ「……」

アスカ「しかも、チョコケーキのベージ、ハートマークでいっぱいだし……」

ヒカリ「……」


アスカ「……まさか、私がいるからって、簡単なやつにしたんじゃないでしょうね?」

ヒカリ「……」



43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:03:18.01 ID:dBg6YBHwP

アスカ「ヒカリ」

ヒカリ「は、はい」

アスカ「これ、作るわよ」

ヒカリ「今から!?」


アスカ「当然でしょ」

ヒカリ「でも、もう夜だし……」

アスカ「さっき、ヒカリの保護者には泊まらせてもらえるようにお願いしてきたわ」

ヒカリ「いつの間に!?」


アスカ「うちにも連絡済み。逃げ場はないわよ」

ヒカリ「アスカって、ほんとアスカだよね……」



44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:05:20.96 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「でもね、お菓子作りって、ちょっとも分量を間違えられないから、けっこう難しいのよ」

アスカ「覚悟は出来てるわ」

ヒカリ「……でもぉ」

アスカ「お菓子作りのっていうか、徹夜のだけど」

ヒカリ「ええー……」


アスカ「お願い! ヒカリ!」

ヒカリ「……はぁ、分かった。どうせ、アスカの頼みは断れないもん」

アスカ「ありがと!」


ヒカリ「じゃ、頑張ろっか」

アスカ「ええ!」



46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:07:39.22 ID:dBg6YBHwP

―――チュン、チュン


アスカ「終わった……」

ヒカリ「本当に、朝になっちゃたね……」

アスカ「疲れた……」

ヒカリ「でも、完璧に出来たよ……」


アスカ「はぁ……」

ヒカリ「後は、渡すだけだね……」

アスカ「渡す……?」


ヒカリ「うん……え?」



47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:10:12.40 ID:dBg6YBHwP

アスカ「渡すって……これを?」

ヒカリ「考えてなかったの?」


アスカ「……でも、こんなの渡したら……」

ヒカリ「……」

アスカ「……ヤバイでしょ、さすがに」

ヒカリ「大丈夫だと思うけど」


アスカ「ハートのチョコとか、乗っちゃってるし……」

ヒカリ「可愛いよ!」



48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:12:24.24 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……ヒカリ」

ヒカリ「うん?」

アスカ「今、食べちゃおっか」

ヒカリ「やめてよ! 私の徹夜まで無駄になっちゃうよ!」


アスカ「まぁ、そうよね……それは申し訳ないわ……」

ヒカリ「そうして欲しいな」

アスカ「渡す……渡すのか……」

ヒカリ「……」


アスカ「……グチャッ! ってしたくなるわね」

ヒカリ「やめてよ!」



52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:15:13.80 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「―――おはよー、みんな」

アスカ「……」


ヒカリ「……アスカ? どうしたの?」

アスカ「なんなの、この……なんなの?」

ヒカリ「なにが?」

アスカ「……空気っていうか、みんなソワソワしてる感じっていうか……」


ヒカリ「あー……バレンタインって、こんな感じなのよ」

アスカ「教えときなさいよ……」



53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:17:33.39 ID:dBg6YBHwP

アスカ「そもそも、いいの? こんなの持ってきて」

ヒカリ「この学校、そういうのは寛容だから」

アスカ「……そう」

ヒカリ「違う学校だとね、持ってるのバレたら、没収されたりするんだって」

アスカ「それは災難ね」

ヒカリ「ねー」


アスカ「……あ」

ヒカリ「ん?」

アスカ「バカシンジ」

ヒカリ「……どこ?」



54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:19:52.45 ID:dBg6YBHwP

アスカ「校門のとこ」

ヒカリ「んー……? 見えない」

アスカ「ほら、あそこあそこ」

ヒカリ「えーっと……いたいた、ほんとだ」


アスカ「とぼとぼ歩いてるわね」

ヒカリ「えー、普通だよ」

アスカ「覇気がないわね、覇気が」

ヒカリ「そんなことないってば」


アスカ「……あっ」

ヒカリ「今度はなに?」



55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:21:54.66 ID:dBg6YBHwP

アスカ「あれ……って」

ヒカリ「……あ」

アスカ「……」

ヒカリ「……チョコ、貰ってるみたいだね」


アスカ「……」

ヒカリ「ほら、でも、碇君ってさ、ヒーローみたいなものだから」

アスカ「……」

ヒカリ「そういう意味での、だと思うから、義理だよ、うん」


アスカ「……」

ヒカリ「……」



58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:24:27.91 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……私だって」

ヒカリ「え?」

アスカ「私だって、義理よ」

ヒカリ「そ、そっか、そうだよね、ごめん」


アスカ「……」

ヒカリ「……」

アスカ「……」

ヒカリ「……」


アスカ「……でも、ちゃんと渡すから、安心して」

ヒカリ「……うん!」



59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:27:27.50 ID:dBg6YBHwP

シンジ「……っと」



ヒカリ「ほら、碇君、来たよ」

アスカ「え、え、今渡すの?」

ヒカリ「早く渡した方が、楽だって」

アスカ「……でも」


ヒカリ「そんな悶々とした状態で、授業なんて受けられないでしょ、ほら」トンッ

アスカ「ちょ、ちょっと、押さないでって」



60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:29:25.29 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……あっ」

シンジ「あ、アスカ、おはよう」


アスカ「……」

シンジ「昨日は委員長の家に泊ったんだって?」

アスカ「……うん」

シンジ「委員長とアスカはほんとに仲良いよね」

アスカ「……」

シンジ「でも、アスカがいないから、昨日はミサトさんの相手するのが大変だったよ」

アスカ「……」



62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:31:24.48 ID:dBg6YBHwP

シンジ「……アスカ?」

アスカ「な、なによ!」

シンジ「どうしたの? 体調でも悪い?」

アスカ「……別に、なんともないわよ」

シンジ「そう? それならいいんだけど」

アスカ「……」

シンジ「……?」


アスカ「し、シンジ!」

シンジ「ん?」


アスカ「あの―――」



64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:34:09.02 ID:dBg6YBHwP

トウジ「―――なんや、けったいなもん持っとるやないか」


アスカ「……!」

シンジ「あ、トウジ。おはよう」


トウジ「おはようさん。朝から仲良いなぁ、お二人さん」

シンジ「べ、別にそんなことないと思うけど」

アスカ「……」


トウジ「あー! せやなぁ、今日はなんて言ってもバレンタインデーやもんな!」

アスカ「……」

トウジ「その箱はつまり、そういうことか! かぁ~、ほんまこっちが火照ってくるわ!」

アスカ「……」



66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:35:56.10 ID:4Rhd3GtW0

トウジ…ワイはお前を殴らなアカン



68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:37:31.90 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「―――鈴原!!」

トウジ「な、なんや、そんな怖い顔して」

ヒカリ「この……!!」


アスカ「いいわよ、ヒカリ」

ヒカリ「でも……」


シンジ「そうだよ、委員長。別に言わなくても分かってるから」

ヒカリ「……え?」

シンジ「アスカが僕にチョコなんて、そんなの、あるわけないじゃないか」


アスカ「……っ!」



71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:40:28.11 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……」

ヒカリ「……い、碇君、これはね」


アスカ「やめて、ヒカリ」

ヒカリ「アスカ?」

アスカ「…………なにが、バレンタインデーよ、ばっかみたい」

ヒカリ「アスカ……」


アスカ「私は、ただ、机の上に置いてあったゴミを捨てようとしただけ」ポイッ

ヒカリ「……あ」



77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:44:18.06 ID:dBg6YBHwP

アスカ「アンタたちも、浮かれてんじゃないわよ。ここは学校よ? 勉強する場所なの」

シンジ「……えっと」

トウジ「……お、おう」


アスカ「……」

ヒカリ「……」


アスカ「……ヒカリ」

ヒカリ「なに?」

アスカ「私……早退するから。先生に、そう言っておいて」

ヒカリ「ま、待って!」


アスカ「……」スタスタ

ヒカリ「待って……」



79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:48:16.41 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「……」

シンジ「……」

トウジ「……」


ヒカリ「……碇君」

シンジ「……なに?」

ヒカリ「ゴミ箱のそれ、持ってついて来て」

シンジ「で、でも」


ヒカリ「いいから!」

シンジ「う、うん」



82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:50:24.98 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「ここなら、誰も来ないかな」

シンジ「……そうだと思うけど」


ヒカリ「どうしてついて来てって言ったのかは、分かるよね?」

シンジ「アスカのことだよね?」

ヒカリ「うん」

シンジ「……」


ヒカリ「その箱、開けてみて」

シンジ「……? うん」



84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:52:57.79 ID:dBg6YBHwP

シンジ「これは……」

ヒカリ「ぐちゃぐちゃになっちゃたみたいだけど、匂いで分かるでしょ?」


シンジ「チョコケーキ……だ」

ヒカリ「そうだよ。昨日、アスカが徹夜で作ったやつ」

シンジ「……」

ヒカリ「私の家に泊まったの知ってるでしょ、そういうことだよ」

シンジ「……」


ヒカリ「アスカが、碇君のために作った……チョコケーキ」

シンジ「……」



89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:55:38.21 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「何回も失敗しちゃってさ、アスカってあんまり料理は得意じゃないみたい」

シンジ「……」

ヒカリ「それでもさ、最終的には上手に出来てね、見た目もすっごく可愛くて」

シンジ「……」


ヒカリ「後は、渡すだけって、二人で話して……」

シンジ「……」

ヒカリ「碇君が他の女の子にチョコ貰っても、それでも渡すって、そう言ってたんだ……」

シンジ「……」



90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 22:58:35.05 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「ねぇ、碇君」

シンジ「……なに?」

ヒカリ「アスカの態度もよくないけど、碇君の言葉もよくないよね」

シンジ「……」


ヒカリ「私も、自分に自信のある方じゃないから、気持ちは分かるけど」

シンジ「……」

ヒカリ「でもさ、アスカの心をさ、知ってるわけでもないのに……貰えるわけないって、どうしてそんなこと言っちゃうの?」

シンジ「……」

ヒカリ「そういう人を傷つけちゃう優しさは、一番よくないよ……」

シンジ「……」



94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:00:58.76 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「これが最後の質問だけど」

シンジ「うん」

ヒカリ「この後、どうすればいいのか……分かるよね?」

シンジ「……うん」

ヒカリ「そっか……それなら、もういいんだ。ごめんね、偉そうに」

シンジ「ううん、話してくれて、ありがとう」


ヒカリ「……」

シンジ「……委員長」

ヒカリ「なに?」

シンジ「今から、ちょっと下品なことするけど、見逃してね」

ヒカリ「……え?」



96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:03:35.34 ID:dBg6YBHwP

シンジ「……」ガシ

ヒカリ「……!」


シンジ「……」パクッ

ヒカリ「……」

シンジ「……」モグモグ

ヒカリ「……」


シンジ「ははっ、美味しいや」

ヒカリ「……でしょ?」

シンジ「こんな美味しいケーキ、初めて食べた」

ヒカリ「アスカにも……そう言ってあげて」


シンジ「……うん!」



101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:06:49.57 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……」


アスカ「……」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「……」



102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:08:26.61 ID:dBg6YBHwP

コンコン


アスカ「……!」


『アスカ、家に帰ってたんだ』


アスカ「……」


『少し、探したから、遅れちゃった』


アスカ「……」


『ここ、開けても良いかな』


アスカ「……嫌」


『そっか。じゃあ、このまま話すね』



103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:10:33.53 ID:dBg6YBHwP

『委員長にさ……話、聞かせてもらったよ』


アスカ「……」


『ごめん。僕、なにも知らなくて……もちろん、それで言い訳するつもりじゃないけど』


アスカ「……」


『嬉しかったよ、すごく』


アスカ「……」


『それから、ケーキも食べた。本当に美味しかった』


アスカ「……!」



105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:12:26.23 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……食べたんだ」


『うん』


アスカ「あんな、ゴミみたいなやつ」


『ゴミなんかじゃないよ。世界一美味しいチョコケーキだった』


アスカ「……」


『ねぇ、アスカ。ほんのちょっとだけ、扉開けるけど、許してね』


アスカ「……」



108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:14:25.10 ID:dBg6YBHwP

ガチャ


コトッ


……パタン



アスカ「……なにこれ」


『それさ、僕が作ったチョコなんだけど』


アスカ「……」


『みんなに作ったんだ。感謝している人、全員に』


アスカ「……」 



110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:16:31.65 ID:dBg6YBHwP

『でも、アスカのだけは、他のと違って、特別に作ったんだ』


アスカ「……!」


『アスカには……感謝とか、そういうのと、またちょっと違うから』


アスカ「……」


『こんなこと言うと悪いけど、昨日はアスカがいなくて助かったよ』


アスカ「……」


『良かったら、食べてもらえないかな』



111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:19:37.07 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……」ヒョイ


アスカ「……」

アスカ「……」パクッ


アスカ「……」

アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「……」



113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:21:46.07 ID:dBg6YBHwP

―――カチャ


シンジ「あ、アスカ!?」

アスカ「……」


シンジ「えっと、その……」

アスカ「……」

シンジ「どうかな? チョコの味……」

アスカ「……」


アスカ「……甘すぎね。私の口には合わないわ」

シンジ「え、ええー?」



116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:23:12.67 ID:dBg6YBHwP

アスカ「だから……」

シンジ「……?」


アスカ「来年は……もっと、私の口に合うように、作りなさいよ」

シンジ「……!」


アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」



120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:26:19.62 ID:dBg6YBHwP

シンジ「学校、戻る?」

アスカ「今日はもう、いいわよ」

シンジ「そっか」

アスカ「後で、ミサトにお説教されるわね」

シンジ「そうだね」


アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「ふふっ」

シンジ「あはは」



121: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:28:05.69 ID:dBg6YBHwP

エピローグ


トウジ「……どーぼ、ずびばぜんでじた」ボロッ


ヒカリ「土下座で駄目なら、この先一年は、アスカの奴隷になるって言ってるけど」

アスカ「……言わせたんじゃなくて?」

ヒカリ「まぁ、そうとも言うけど」


アスカ「ヒカリって、怒らせると実は一番怖い?」

ヒカリ「そ、そんなことないわよ。……ねぇ、鈴原」

トウジ「……ヒッ、そ、そやな!」


アスカ「ださっ」



122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:30:13.52 ID:dBg6YBHwP

アスカ「ま……アスカ様は寛大だからね。許してあげるわ」

ヒカリ「ほんと!? ……ほら、鈴原!」

トウジ「ははー……ほんま、おおきにー……」

アスカ「……」


アスカ「……で、ヒカリはどうなったの?」

ヒカリ「え?」

アスカ「だから、鈴原にチョコ、あげたの?」


トウジ「なんやて!?」ガバッ

ヒカリ「ちょっ、アスカ!」



124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:32:13.01 ID:dBg6YBHwP

トウジ「委員長、ワシにチョコ、くれるんか!?」

ヒカリ「あの、その……」

トウジ「もう、昨日の一件で女子共からダニ扱いされてもうて、チョコなんて一生拝めへんもんかと……」

ヒカリ「ええと……」

トウジ「ワシは、ワシは……」ウッウッ

ヒカリ「ううう……」


アスカ「あ、ごめん。これじゃ私も鈴原と変わんないわね」

ヒカリ「……」



125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:34:16.01 ID:dBg6YBHwP

ヒカリ「いいの」

アスカ「え?」

ヒカリ「ほんとは、私もチョコあげられなくて、困ってたから」

アスカ「そっか」


トウジ「てことは、ほんまに!?」

ヒカリ「その代わり、作ったチョコはもうないから新しく作るけど、いいよね?」

トウジ「かまへん! しかも手作りなんて、最高や!」

ヒカリ「ふふ、そっか」


アスカ「……」



126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:36:05.94 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……ただいま」

シンジ「あ、アスカ、おかえり」

アスカ「……」

シンジ「ごはん、もうちょっとかかりそうだから」

アスカ「そう」


シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」



129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:38:14.50 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……バカシンジ」

シンジ「なに?」


アスカ「……あの」

シンジ「……?」

アスカ「……い、一応バレンタイン、渡したんだから、ホワイトデーのお返し……」

シンジ「ああ、うん。もちろん用意するつもりだけど」


アスカ「……」

シンジ「まだ、なにかあるの?」

アスカ「……」



130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:40:38.44 ID:dBg6YBHwP

アスカ「わ、私も」

シンジ「え?」

アスカ「私も! アンタから貰ったから! ……だから、お返し、あげるから」

シンジ「……!」


アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ「……」


シンジ「……そ、そっか」

アスカ「……そうよ」



133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:43:09.48 ID:dBg6YBHwP

アスカ「言っておくけど!」

シンジ「うん」

アスカ「今度こそは、ちゃんとした、とっておきのやつだから!」

シンジ「ふふっ、うん」

アスカ「アンタが作るようなやつの、一千万倍、すごいやつなんだから……」

シンジ「負けないくらい、頑張るよ」


アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「……じゃあ、早くご飯、作ってよね」

シンジ「わかった」



136: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:45:42.32 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……はぁ」


アスカ「……」

アスカ「……」


アスカ「……」カパッ

アスカ「……」


アスカ「……」ピッピッ

アスカ「……」

アスカ「……」



138: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:47:42.00 ID:dBg6YBHwP

アスカ「……あ、もしもし、ヒカリ?」


アスカ「うん」

アスカ「うん」

アスカ「あはは、そっか」


アスカ「あ、うん、それでね」






アスカ「……お菓子作り、ちゃんと、教えてもらおうかなって」



終劇



144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:49:21.85 ID:dBg6YBHwP

オワタ
季節外れなのは分かってるんだけど、某まとめでバレンタインネタ見たら書かずにはいられんかった。

もう最近は毎日のようにエヴァSS書いて投下して……これがエヴァの呪縛か。怖いわ。



150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2012/12/03(月) 23:55:51.48 ID:kahY/9Wd0

乙乙